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スクープ告発第2弾 忘年会・新年会に横行する食材使い回し カニ、ホッケ、から揚げ、ラーメン、枝豆… “残飯”調理の宴会厨房裏をバラす!〜ジャーナリスト・吾妻博勝〜(1)

 普段、閑古鳥が鳴いている店でも、年末年始シーズンは満席になるという。
 「この時期にしっかり儲けないと、店が傾いてしまいます。値段据え置きで食材の質を落とし、経費を圧縮します。そうすれば当然、利益率が上がります」
 と話すのは、JR池袋駅から徒歩10数分のところにある料理店の店主。
 「地の利はよくないが、うちには座敷部屋がある。だから、この時期になると宴会の予約が次から次へと入ってきます。3000〜5000円のコース料理が人気ですね。見た目、豪華にするため、タラバガニやズワイガニを出すと、お客さんは皆、『ウオーッ!』と歓声を上げますよ」

 カニはロシア産の冷凍物で、小学、中学生のときに同級生だった都内在住のヤクザを通して仕入れるという。そのヤクザが北海道の暴力団とつながりがあり、「そこから安く手に入るらしい」と店主は言う。
 「酔った客は気づかないが、よく見ると、甲羅にヒビが入っていたり、脚が1本欠けていたり、それなりのクズモノです。市場では商品価値がほとんどない産卵後のメスも入ってくる。身が細ってウマ味は抜けているが、姿、形だけは見映えがする。だから使うんです」

 実は、こうしたクズ蟹の食べカスが、意外な形で大働きをする。店主が話を続ける。
 「親切な店は、脚をバラバラにして、食べやすいよう1本ずつ切れ目を入れるが、うちはそれをしないで丸ごと出してしまう。それだと食べにくいから、酔いが回ってくると、たいがいの客が『面倒くさい』となって、途中で食べるのをやめてしまう。その食べ残しを再利用させてもらうのです」

 甲羅も脚も適度な大きさ、長さに切り分け、化学調味料をぶっかけながら沸騰させ、最後はミソ味に仕上げて豆腐を入れる。それを大きめのお椀に入れて刻みネギを散らすと、客は「北海道に来たみたいだ」と大喜びするという。
 カニ汁は1杯700円だが、それが食べカスで作ったものとは、だれも思わない。丸ごとのカニはコース料理に入れてあるが、カニ汁は入れていない。タダの材料を使って別料金にすれば、「売り上げが伸びるから」だという。姑息ともいえる、その商売根性は、客の敵ながらアッパレというしかあるまい。
 「どんなにキレイに食べても、カニは必ず甲羅、脚だけは残る。ただの殻でもグツグツ煮込めば、カニらしい風味が出ます。風味が弱いときは、業務用のカニエキスを加える。これで向かうところ敵なしのカニ汁になります。毎日、それに食べ残しのカニをつぎ足していくと、来年3月ごろまでカニ汁を出せます」

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