大手芸能プロのワタナベエンターテインメント(ナベプロET)が、NTTラーニングシステムと組み、芸能スクール遠隔講座をネットで配信する事業を始めた。
具体的には、俳優、声優、歌手、モデルの4部門で発声法やオーディションの受け方などを指南する。
受講者はタブレットのオンライン動画などで、運営している芸能スクールから配信されるネット講座で勉強するらしい。
受講完了後、受講者には、オーディションを経て芸能界デビューの機会を与えるという。
約3カ月間の講座を修了すれば、来年2月から全国の主要都市で開かれるオーディションに出場できる。将来はそれぞれの部門での優勝者とプロダクション契約を結び、芸能界デビューを約束するというのだ。
'13年には10万人の契約を目指すようだ。果たして新たなビジネスとして定着するのか。
「生徒数の目標値を達成すれば“2億円”の売り上げになる。ナベプロETは大手にしては珍しく、派手な新人スカウトイベントをやっていない。将来、いい人材を得ることができるかもしれない」(芸能界事情通)
ただ、芸能関係者の多くは悲観的だ。
「芸能人を発掘して育てるためには、その素材、つまりタレント希望者が間近にいないと難しい。そうすれば、いい面でも悪い面でも、意外なところがわかる。人間ビジネスには教える側、教えられる側の人肌的コミュニケーションが大事なわけです」(芸能事務所関係者)
ネットスクールブームに乗るだけではなく、ビジネスが長続きすることを祈るばかりだ。