A:ダイエットとは、いわば単純な引き算です。つまり1日の摂取カロリーから1日の消費カロリーを引いて、プラスなら太ります。
プラスにしないための方法に、食事制限と運動があります。食事制限は多くの人が失敗しています。私も失敗しました。
●食事制限は続かない
食欲を我慢するのは長くは続かないものです。しかも、いったん制限を解くと以前よりもたくさん食べてしまいます。それをリバウンドと呼び、余計に太るのがオチです。
そこで、運動が求められます。食事はちょっと軽めだと思っても、1食500キロカロリー程度は摂取します。1食抜けば、この500キロカロリー分はダイエットできたことになります。
理屈ではそうですが、実際は前述したように食欲を抑えるのには無理があります。
そこで、私もそうですが、1日3食食べたいという人なら、1食分のカロリーを運動で消費するのが望ましいといえます。
運動は、行っている最中はしんどいもの。しかし、終わった後には爽快感があります。ビールも運動しないときに比べると3倍ぐらい美味しく感じられます。
●スロージョギングが最適
いろいろな運動の中でも、カロリー消費量が多いのが水泳です。1時間泳ぐと1000キロカロリー消費しますが、はっきり言ってしんどくて普通の人はとても泳げません。
しかも消費カロリーが短時間で大きいため、めちゃくちゃにお腹が空きます。かえって、食べ過ぎることになりかねません。ですから、水泳だけに頼るダイエットは困難だと思います。
ご質問のラジオ体操は、曲げる、伸ばす、ねじる、反らすなど13種類の動きで構成されていて、約400種類ある全身の筋肉のほとんどを使うことができるそうです。
ストレッチ効果もあるから、脂肪を燃焼し、ダイエットにもつながるというのでしょう。しかし、消費カロリーは100キロカロリーもないはず。これだけではダイエットにはなりません。
ダイエット運動の決め手は、30分のスロージョギングです。距離重視ではありません。歩くのと走るのでは3倍近く消費エネルギーが違うので、30分で3〜4キロでもかまいません。ぜひ毎日、ジョグってください。
牧 典彦氏(小山病院院長)
自律神経免疫療法(刺絡)や加圧トレーニング、温熱療法、オゾン療法など保険診療の枠に捕われずベストな治療を実践。小山病院(大阪市東住吉区)院長