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北朝鮮核実験で始まった 寝首を掻かれる三男坊・金正恩の末路(2)

 ところで、北朝鮮が準備している核実験が成功した場合の日本への脅威はどうなのか。
 「北は『高い水準の核実験』と言っていることから『ブースト型核分裂弾』と呼ばれる“強化型原子爆弾”を試す可能性が高い。この型は、重水素と三重水素の核融合反応を利用し、核物質の分裂を加速することで原爆の威力を高める仕組みのものです。1950年代に米軍が開発し、核物質にはプルトニウム、ウランのいずれも使用できる。しかも北朝鮮保有の全弾道ミサイルに搭載可能なほど小型で、威力は通常型原爆より強く、広島や長崎に投下された原爆の数倍。日本を射程とするノドンに搭載された場合、大都市一つが廃虚になるでしょう」(軍事アナリスト)

 今回、中国はやたらと北朝鮮非難の語気を強めているが、その真意はどこにあるのか。
 「中国は、米国を考慮して北の核開発を本気で止める気はない。北が孤立の度を深めて冒険主義に出るのは困るが、かといって核開発を取り下げでもして米朝の関係改善が進むのも困る。北朝鮮は中国にとって、あくまで在韓米軍に対する東の端の緩衝地帯だからです。北朝鮮が、中国の西南の緩衝地帯だったミャンマーのように突然、米国に引き抜かれるのだけは避けたい。これが中国の本音です」(同・アナリスト)

 北朝鮮が最も避けたい反面教師がリビアだ。カダフィ大佐は、核開発を断念し、米国の怒りの鉄槌を免れたものの、最後にはNATO(北大西洋条約機構)軍の攻撃を受け殺害された。
 「しかし北朝鮮の周辺国には、核開発で共同戦線を張るイランにとってのイスラエルのような、核施設を空爆しそうな国が存在しない。懸念があるとすれば“アラブの春”を引き起こした携帯電話の普及だが、これも極端に利用範囲が制限されていますから想定しにくい」(同)

 最近、正恩の使用するスマートフォンが、台湾の携帯端末メーカーであるHTC製品と判明した。
 「敵国米・アップル社のiPhoneや韓国サムスン電子のギャラクシーを使うよりは、台湾製のほうが幹部向けにウケがいいからとの判断でしょう。北朝鮮では'08年から、北・逓信省とエジプトのオラスコム社との合弁で『高麗リンク』という会社を設立して移動通信サービスの提供を開始している。中国から輸入された端末に『平壌』『柳京』というブランド名を付け販売していますが、庶民には手が出せないほどの多額の費用が掛かる上、利用も制限され携帯電話を知らない住民もまだ多い。とても携帯電話で住民蜂起を呼びかける環境にはない」(前出・ウオッチャー)

 隣国の脅威が増す以上、「対話、対話」とバカの一つ覚えを繰り返していては“らち”があかない。

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