もともと、今回の騒動が起きたのは3月31日、中国国家衛生・計画出産委員会が、「鳥インフルエンザに感染した男性が2名死亡した」と発表したことから。その後死者が増え、世界中が大騒ぎとなったのだ。
「公表からわずか1週間で感染者は16人、うち死者が6人に増え、人から人への感染が危惧されている。これに『WHO』(世界保健機関)は真っ青で、世界的大流行を警戒しだしたのです。現在も中国国内で死者は増えているが、世界的蔓延となった場合は数百万人、日本だけでも60万人の死者が出るとの予測もあるのです」(日本の医療関係者)
ちなみに、今回感染者が出た地域は、どちらも中国が誇る経済特区。上海では8800社、江蘇省には7600社もの日本企業があることから、これら企業で働く人々の移動が「日本上陸を加速化させる」とも見られている。
また、「日本や海外に拡大する」との観測には、別の理由も存在する。語るのは、厚生労働省の関係者だ。
「実は、上海の感染源は市場にいたハトなのです。中国側は1カ月近い調査を行い、鳥インフルだと断定。このハトを殺処分にしたが、その間市場に出入りした人間は膨大な数で、中には養鶏場や農業を営む者も多い。感染した人間が農作物や鶏肉を生産、加工した製品が日本や海外に輸出される可能性も極めて大きいのです」
要は、感染者らが生産した冷凍食品などが輸出され、国際的な蔓延を助長する可能性も指摘されているのだ。
旅行会社の関係者が言う。
「今回の鳥インフルの蔓延で、中国を旅行する日本人は激減しているが、恐ろしいのは中国側から日本への流入が止まらないこと。花見や観光で沖縄や京都、東京や東北を訪れる富裕層は時期的にも増えており、この旅行者が感染源となる可能性も少なくないのです」
ワクチン製造は「最短で半年かかる」(前出・厚労省関係者)というが、目に見えない恐怖は当分続きそうだ。