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メジャーリーグ極秘情報 レッドソックス・田沢編

 史上初の快挙を演じたボストン・レッドソックスの田沢純一は、大先輩・松坂大輔と正反対の日本人メジャーリーガーとして期待されている。

 マック鈴木、多田野数人(現日本ハム)といったマイナーからのメジャー昇格と違って、昨年12月、アマ球界からいきなりメジャー契約。この日本人初の事例に加え、今年8月11日のタイガース戦では初先発で初勝利という画期的な記録を残した。16日のレンジャーズ戦こそ10安打4失点で2敗目を喫したが、田沢の評価は下がらない。この田沢の活躍には、今後の日本球界からのメジャー入りの道を変える重大な意味がある。
 「苦しかったが、2Aで教えられたように、初球からストレートを投げ込むことなどを実行した」。5回3失点でメジャー初勝利を挙げた田沢はこう語っている。メジャー契約だが、まずは2Aでみっちり英才教育を受け、3Aでの登板も経験。マイナー合計20試合に先発して9勝7敗、防御率2.25の実績をあげてのメジャー昇格が初先発、初勝利に直結したと認めるのだ。

 この点にこそ、これまでの日本メジャーリーガーと違った田沢の大きなセールスポイントがある。メジャーリーグ経験者の球界OBがこう明かす。「メジャーに来る日本のトップ投手は、例外なく素晴らしい変化球を持っているが、それに頼りすぎる傾向がある。日本のプロを経験していない田沢は米国流の育成法で成長していく投手だ」と。
 「変化球に頼らず、直球を四隅に投げる制球をつけることが、メジャーでも成功する第1条件と考えている。真っすぐが四隅に投げられるようになったら、次はツーシームにしたり、カット気味に投げたりと、ボールを動かしてみる。ひねる変化球は制球もむずかしく、早いカウントで多投すると、ボールが増え、球数も多くなる」というのが米国メジャー流。
 日本プロ野球流を全く知らない田沢だから、素直にメジャー流を一から吸収していく。投げ込みの日本流と球数制限のメジャー流の調整法を巡って大騒動が起こったばかりの松坂のようなことはあり得ない。米国のメディアが「球団批判だ。とんでもない話だろう。松坂はトレードに出されてもおかしくない」と、大騒ぎし、松坂バッシングを展開したのは、何事においてもメジャー流がベストだという強固なプライドがあるからだ。
 田沢が今後も勝ち星をあげていくようならば、松坂はますます窮地に追い込まれていくことになるだろう。復帰がスムーズにいかなければ、放出説が再燃する恐れもある。今後、メジャー入りを望んでいる日本のプロ野球選手にも影響が及ぶだろう。ポスティングでの落札金も入れて総額100億円プレーヤーと日米で話題を呼んだ松坂に対し、新日本石油ENEOSから日本プロ野球を経ずにレッドソックス入りした田沢は年俸4000万円にすぎない。
 メジャー球団側とすれば、費用対効果、メジャー流への対応など考えれば、日本プロ野球界のトップ選手とアマ球界の逸材のどちらにメリットがあるか一目瞭然だろう。第二の田沢獲得により熱が入るようになるのは、自然の成り行きだ。アマ球界の逸材たちのいきなりのメジャー入りにも拍車がかかる。現に今秋のドラフトの超目玉の花巻東・菊池雄星がメジャーへの関心を示し、プロ球界側は動揺している。

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