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お馬鹿芸能都市伝説 みのもんた、ミスターマリック、美輪明宏は3人いる

 いつの時代でも芸能人は、人々の妄想の対象になってしまう。そして、その妄想はいつしか“お馬鹿な都市伝説”に成長していくのだ。中でも、『実は○○さんは二人いる』『○○さんは、もっと多くて三人いる』という都市伝説はいつの時代でも囁かれる定番である。

 古くは『美空ひばりが二人いる!!』という都市伝説が流れたり、平成以降では『みのもんたが三人いる!!』という噂が流れた。これら一連の都市伝説が成立した背景には、美空ひばりやみのもんたが殺人的なスケジュールをこなす、超多忙な芸能人であるからであり、『あれだけ忙しいのであれば、一人では無理だろう』という妄想から都市伝説が生まれたと解釈できる。

 また、ファンに囲まれた場合に背格好の似た付き人が影武者をするケースや、映画や番組の撮影前に、照明の準備のために俳優の代理をするスタンドインという役割の人を本人と誤認したケースなどが“有名人複数”都市伝説の成立を後押しした可能性はある。

 さらに『美輪明宏は三人いるとか、五人いるとか』、芸人の次長課長の河本準一の目撃談から生まれた『ミスターマリックが三人いた』という都市伝説は、噂の対象となった人物の不思議なキャラクターに由来する。美輪明宏、ミスターマリックという不思議な雰囲気を持つ人物だからこそ、『ひょっとしたら、複数いると言う話もあながち嘘ではないのかも』と人々は幻想を持ってしまうのだ。

 人は日常を忘れるために、芸能人という現代の異人(まれびと)に幻想と妄想を抱いてしまう。

(山口敏太郎)

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