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南海トラフ巨大地震「浸水地域が想定の3倍」の発表で 塗り替えられる太平洋岸壊滅地帯

 6月に入り和歌山県内を震源とした不気味な揺れが続くなか、6日に大阪府が“秒読み”とされる「南海トラフ巨大地震」の津波被害について、国が昨夏に公表した想定に比べ浸水面積が3倍に拡大すると発表した。とりわけ、液状化現象では大阪湾岸全域で甚大な被害が広がるという。
 「内閣府が府内の震度を最大6強、津波高を最大5メートルと推定しており、府はこの想定を元に詳細なシミュレーションを行ったのです。結果、防潮堤の沈下や河川の水門が不能に陥る事態も加味され、浸水域が国想定より6344ヘクタール増の9394ヘクタールに広がったのです」(サイエンスライター)

 被害が広がった地域は、大阪湾沿いや周辺の20市区町に上り、堺市西区は国想定比1.6倍の921ヘクタール、大阪市西淀川区が同43.6倍の871ヘクタール、住之江区の同16倍の800ヘクタールとなった。
 「津波の高さはどこが震源域になるかで変わってきますが、紀伊半島沖が震源の場合、淡路島と和歌山県の間をすり抜けて大阪湾の奥までやってくる。潮流によっては出口を失った津波で甚大な被害が予想されます。例えば沿岸の『USJ』などは液状化と津波の浸水で滅茶苦茶になるかもしれません。大阪駅周辺は1メートルの浸水ですが、地下街が広がっているので早めに避難しないと大変な被害が出ます」(防災に詳しいジャーナリスト・村上和巳氏)

 今回の発表を考慮すれば、他の地域での被害想定も変わってくる。東海地方はどうか。
 「東海、東南海地震については10年くらい前に中央防災会議が大ざっぱな被害想定を出しています。今後、改めて詳しい被害想定が発表されると思われますが、愛知県も沿岸部は土壌が軟弱で液状化が懸念される。特に、伊勢湾の最奥の名古屋市の南部、海部郡などでは津波と液状化で甚大な被害が出るでしょう。沿岸部に作ってしまった中部国際空港も心配です。さらには知多半島も想定以上の液状化が起き、交通が分断されて孤立化する可能性があります」(同)

 恐怖は増すばかりだ。

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