「製造元のミズノは釈明会見で自社検査が甘かったと謝罪していましたが、同情すべき点もあります。統一球が導入される前はミズノ、ゼット、アシックス、久保田の4社で製造、管理を分担していました。統一球導入後、NPBはミズノ1社に2万4千ダースの管理を要請しており、無理が生じたわけです」(球界関係者)
統一球製造の契約は2年。そのままズルズルと今日まで契約を延長してきた。NPBは問題発覚前、2016年シーズンからの統一球製造社の公開入札を行う決定も下していた。
「これに敏感に反応したのが、米ローリングス社です。統一球導入時は国内メーカーに限定しての選抜でしたが、今回は海外企業の参加もOKとなりました」(同)
そもそも、統一球導入の目的は国際試合で日本選手が嘆いていた“ボールの違和感”をなくすこと。シーズン開幕前に行われるWBCが特に深刻で、NPBは国内メーカーにメジャー使用球と近いボールの製造を要請した。しかし、元をただせば、WBCやメジャーリーグの公式使用球を製造しているのは、米ローリングス社である。同社がNPBにボールを供給すれば、国際試合での違和感は完全に解消されるわけだ。
「確かに同社のボールを使用しているアメリカ、韓国では問題は起きていません。とはいえ、一球一球違うというくらい品質が雑という話も聞きます。一長一短でしょう」(米特派記者)
国内メーカー市場への影響も含め、まだまだスッキリとはいかないようだ。