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マティス国防長官も居なくなりホワイトハウスは「対中強硬派」勢ぞろい

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提供:週刊実話

 マティス国防長官が2月に退任するとトランプ大統領が12月20日にツイッターで発表した。

 かねて辞任は囁かれていたことからサプライズではないが、公表された短い辞任表明のレターの内容は、驚くべき内容だった。いわく《ポスト冷戦時代のアメリカの役割は、決して世界の警察官ではない》としながら、《けれども同盟国との共通価値観を大切にして、同盟国中におけるリーダーシップを発揮することは最も重要であり、同盟の強化による世界秩序の安定化に注力すべき》と主張している。

 その上で、《この問題(同盟重視という点)について、また他の課題について、私よりもより貴職の意向に沿う人物を選ぶ権利を貴職は有していると考えます。従いまして、小職は辞任するのが適切と信ずるものであります》。

 大統領に対して、自分は見解を異にするので辞めると平然と言い放っており、さらにその後には、辞任の日付を2019年2月28日にしていることから、「適任者を探せるものならやってみろ」と大統領に対する不敵な挑戦をしているように見える。

 マティス氏の退任で、軍事外交のスタッフに関しては、ティラーソン国務長官、ヘイリー国連大使、続いてホワイトハウスのトップ首席補佐官のジョン・ケリーも年内辞任を表明した。そして今回マティス氏が辞めたことで、共和党の本流や現場とのチャンネルを持って、是々非々で物事を進めていく人材はホワイトハウスからすべて消えたことになる。

 翻って対中政策には「強硬派」が勢ぞろいだ。
「対中政策の論理的中心になるのはマイケル・ピルスベリー氏です。かつては『パンダ・ハガー』(親中派)の急先鋒でしたが、『中国に騙されていた』と突然対中タカ派に変節し、ハドソン研究所の所長に収まりました。10月4日の対中宣戦布告的なペンス副大統領の演説は、ピルスベリー氏が発案したものです」(国際ジャーナリスト)

 大統領顧問格としての国家経済委員長にクロドー、国家安全保障担当大統領補佐官にボルトン、そしてUSTR(通商部)代表がライトハイザー、通商産業政策局長にナバロと、すべて対中強硬派だ。この布陣では、対中融和派だったロス商務やムニューシン財務各長官も対中タカ派に同調せざるを得なくなった。

 それに加え、トランプ−ペンス正副大統領ラインに従うポンペオ国務長官の列に、マルバニー新首席補佐官代行が加わった。同氏はサウスカロライナ州上院議員2期の後、連邦下院議員3期、ティーパーティ(保守派のポピュリスト運動)に近く、トランプ政権発足とともに行政管理局予算局長(閣僚級)に指名された。上院の指名公聴会では賛成51、反対49という僅差だったのは、同氏が超保守派だからだ。

 「マルバニー氏は予算局長として辣腕をふるい、国防予算大幅増、国務省予算の30%削減の中心人物です。首席補佐官代行としての任命で、当面予算局長も兼務しますが、代行の後は財務長官を望んでいるとされます。とにかく『中国が折れるまで、米国は姿勢を変えない』と発言しているほどの強硬派です」(同)

 今やホワイトハウスには中国同調者は存在せず、アカデミズムはキッシンジャーを除いてパンダ・ハガーはほぼ全員が変節し、議会は上下を問わず「アンチ・チャイナ」集団と化した。

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