まるっきし目立たなかったクソまじめ男は、そんな自分からの脱皮をはかったのか。学生時代はパソコンを得意としながら存在感ゼロ。星島容疑者を知る高校時代の同級生は逮捕に一様に驚き、とても同一人物とは思えないと首をかしげる。
岡山県玉野市の県立高校情報処理科を卒業した星島容疑者は、成績優秀であっても極端に印象が薄かったよう。同じクラスだったという会社員女性(33)は「パソコンが得意で勉強はできたが、おとなしく、目立つタイプではなかった。女性との交際も聞いたことがなく、女性と話すのを恥ずかしがっていた」と振り返った。
実家の近所住民によると、星島容疑者は4人兄弟の長男。勉強がよくできると評判で、道で会うと会釈するなど礼儀正しい印象が強いという。高校当時、授業を受け持った男性教諭(63)も「プログラミングができて優秀だった。がんばり屋でゲームソフト会社への就職を希望していた」
ところが上京して都内ベイエリアで派遣社員として働くようになると、まじめ一本槍だった男は徐々にさまざまな一面をみせるようになった。連日駅前でタクシーを拾い、2500〜3000円かけて出勤。降車時には「お釣りはいりません」と運転手にチップをはずんでいた。あえて領収書ももらわなかったというから、自腹を切っているところをアピールしたかったのかもしれない。
タクシー運転手仲間で星島容疑者は“チップの人”と呼ばれ、随分と景気のいい会社に勤めているんだろうなどとウワサしきり。乗車中は黙ったままクールな表情を保ち続けているときもあれば、運転手の話に乗って饒舌になることもあった。運転手によって顔を変えている側面があったようだ。
星島容疑者は警視庁深川署捜査本部の27日までの調べに、「抵抗する東城さんを室内にあった包丁で脅し、自室に連れ込んだ」と供述。遺体は細かく切断してトイレに流したほか、ゴミとして持ち出し処分したなどと話しているという。捜査本部はマンションの汚水槽や排水管なども捜査する。