嵐が国民的アイドルの道を駆け上っていく様を、至近距離で見守っていた大御所がいる。フジテレビ朝の顔である小倉智昭キャスターだ。小倉は、『とくダネ!』のメインMCとして独特のバランス感覚を保っているが、嵐とは、06年にスタートした深夜バラエティ『嵐の宿題くん』(日本テレビ系)で、およそ3年半にわたって共演している。嵐がバラエティのノウハウを会得していく過程を間近で見ていた。いわば、芸能界のお父さんのような存在だ。
小倉は、我が子ほどの年齢である嵐の5人が、かわいくて仕方がない。出会いから今なお、5人全員の誕生日にはメールやプレゼントを欠かさないという。
ところが、“お父さん”の恩を平気で踏みにじることができるメンバーがいる。“変人”大野智だ。
どんなに人気者になっても庶民派感覚を忘れない大野は、家族と仲がいい。まだ『嵐の宿題くん』に出ていたころ、年長者の小倉は気をきかせて、出演者やスタッフを集めた親睦会を開こうとした。ところが、主賓の1人である大野が不参加を決めた。理由を聞くと、「家のビンゴ大会があるから」だった。
毎年恒例の家のビンゴ大会は、豪華な景品が大登場する。大野はかつてネックレスと体重計をゲットしている。家族行事を仕事仲間より優先させてしまう大野はやはり、ヘンジンである。
それでも小倉は、イキで寛大なオトナ。大の釣り好きである大野に、まぐろ用の竿、リール、ルアーといった用具一式をプレゼントしたことがある。しかも、大野いわく、「竿だけで10万円くらいはする」一級品だ。
また、08年の誕生日には、500色も入ったドイツ製の高級色鉛筆セットを贈呈している。いかにも高級そうな鉛筆けずりも、しっかり添えた。3段のケースを2つ。同社の色鉛筆セットは、100色で3万円ほどのお値段だが、その5倍ということは……。
さすが、朝の帯番組を抱える大御所。ケタ違いだ。そんな小倉とメンバーがそろったカラオケの場では、嵐が嵐の楽曲を本気で歌う。小倉は、ほほえましく聴く。なんとも素敵な“親子関係”が、そこにはあるのだ。