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西武・菊池雄星がもたらした意外な効果とは?

 「30年に1人の逸材、即戦力のゴールデンルーキー」と大騒ぎされながら、今はただの人に成り下がっている西武のドラフト1位・菊池雄星(花巻東)だが、意外な効果を球界にもたらしている。

 「高校球界の飛び抜けた左腕の逸材は、すぐにプロ入りせずに、大学や社会人でもまれた後にプロ入りした方がいい」という、説得力のある新たな説がうまれているからだ。その根拠はなにか。
 「その昔は高校球界出身の左腕エースは珍しくなかった。400勝投手の国鉄→巨人の金田、阪神・江夏、近鉄・鈴木、さらにはまだ現役の西武・工藤などいくらでもいた。が、最近10年間くらいの間、高校球界出でいきなり活躍、エースと呼ばれた左腕は、阪神・井川(現ヤンキース)くらいだろう。右腕は松坂、岩隈、ダルビッシュ、涌井、田中といくらでもいるのに。なぜか。希少価値のある、高校球界で飛び抜けた左腕に対し、慣れないこともあって高校球児は全く手も足も出ない。だから、結果として評価が必要以上に高くなるし、本人も過信してしまう。が、プロに入れば、プロのレベルのバッターは左腕だから打てないということはない。本人も自信喪失してしまう」。

 長い間、アマ球界を見てきた関係者がこう語る。キャンプ終了と同時に二軍落ち以来、復活の気配もない西武・菊池雄星を目の当たりにすると、なるほどとうなずきたくなる。ヤクルト・石川が青学大、巨人・内海は東京ガス、松坂世代といわれるソフトバンク・杉内も鹿児島実業から社会人の三菱重工長崎を経るなど、現在の球界を代表する左腕には、高校出はいない。リリーフエースの中日・岩瀬も愛知大→NTT東海出身。ルーキーで活躍しているヤクルト・中沢も中大→トヨタ自動車出身だ。
 反面教師としての雄星効果を考えると、注目されるのが、今年のセンバツで優勝投手になった沖縄・興南の左腕・島袋洋奨の去就だ。左腕のトルネード投法として注目を浴びたドラフト候補生は、センバツで評価をさらに高めている。夏の甲子園でも快投すれば、1位候補としても浮上するだろう。が、プロ野球界の現実を見据えるといきなりプロ入りするにはリスクが大きい。
 「島袋は現在、早大と中大が争奪戦を繰り広げている」というのは、アマ球界関係者だ。それならば、早大にしろ中大にしろ、大学への進学が正解かもしれない。

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