同作は第62回ロカルノ国際映画祭コンペティション部門正式出品作品で、21世紀の日本版「大人は判ってくれない」。少年から見た現代の日本を描いている。
日々の食事すら満足に取れない生活を送る主人公・亮を演じた小林は、1週間前から現場に入り、映画さながらの生活を送った。風呂に入って一度怒られたことがあってから、風呂に入るのも怖くなり、服もずっと衣装のままで過ごし、「食べてるシーンが本当の食事だった」という。胃袋が完全に小さくなって、クランクアップしておにぎりをひとつもらった時には、食べきることもできなかったほどだという。
俳優・柄本明の息子で共演の柄本時生は、小林の過酷な生活ぶりを見て「本の通りにやり過ぎだろと思った。現場に入って優斗の目を見た時、人間恐怖症みたいな目をしてて、びっくりしました」と驚きを語った。リアルさを追求した作風に注目が集まりそうだ。