外食大手のモンテローザは、運営する『白木屋』『笑笑』などと酷似した店名の飲食店が、中国や台湾で14軒確認されたとして、商標の使用差し止めを求める民事提訴と、刑事告訴を含めた対応を開始し注目されている。これらの“パクリ店舗”の経営者はそれぞれ異なり、モンテローザによる警告により店名変更に応じた店もあれば、「漢字は中国のもの」と笑止千万な居直りを決め込み突っぱねる店もあった。しかし、ことは名前のパクリだけにとどまらない。
「中国には『牛角』や『吉野家』など日本の代表的チェーン店の名称ばかりかコンセプトまでそっくりまねた店が無数にあります。その中でうまくいっているのは、経営者が日本に留学し本家中枢でアルバイトをしていたというケースです。身に付けたノウハウやマニュアルをそのまま中国で再現し成功しているのです。日本には“のれん分け”という商いの伝統がありますが、これは明らかに商標権の侵害でしょう」(国際特許専門の弁理士)
商標権とは知的財産権の一種で、企業などが製品やサービスに特定の名称を付け独占的に使用することができる権利のことだが、商標を使用している事実を重視する「使用主義」を採る国と、これをそれほど重視せず、一定の要件を満たせば登録できる「登録主義」を採る国に分かれている。中国は後者の「登録主義」を採用しており、日本や欧州も同様だ。一方、「使用主義」を採っているのが米国やカナダ。
「同じ登録主義を採る日本や欧州で、中国のようなパクリ騒動が起きないのは、『モラル』があるかないかの違いだけです」(同)
他国の領土、領海もすべて自分のものと決め込むお国柄だ。日本の提訴や告訴など馬の耳に念仏か…。