世界3位の半導体メーカーである東京エレクトロンは、4月4日付で竹中博司社長(52)が退き、東哲郎会長(63)が社長を兼務した。竹中社長が3月半ばから体調不良を理由に欠勤し、当面は療養に専念するとされたが、関係者は「若い竹中社長を退任に追い込むシナリオが公然と囁かれてきた」と打ち明ける。
化粧品最大手の資生堂も負けていない。同社は就任からわずか2年の末川久幸社長(53)が3月31日付で退任し、前田新造会長(66)が社長を兼務した。これまた辞任の理由は「健康上の問題」だが、病名は公表されていない。
「社長を務めたことのある老会長が復帰という点でも、資生堂と東京エレクトロンは共通しています。いずれも、立て直しが一向に進まないことに危機感を募らせた創業家が、若社長にテイよく引導を渡したのが唐突辞任の真相とされています」(情報筋)
タレント・千秋の父親である日本板硝子の藤本勝司会長(69)が3月末で退任、6月総会で取締役からも退く。藤本会長は英国のガラス大手ピルキントン買収を主導したが、今やそのツケに悲鳴を上げ、銀行から経営者失格の烙印を押されて追放されたといわれる。
「同社は、ピルキントン出身の外国人社長が就任から1年あまりで“家庭の事情”を理由に退任したが、これに藤本会長が一枚絡んでいたとの情報も囁かれています」(金融関係者)
ウソも方便−−。「家庭の事情」や「健康問題」とは、実に便利な口実である。