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登山料徴収で不安な地元住民

 先ごろ、世界文化遺産登録を前に、山梨・静岡両県が富士山登山者から、試験的に入山料1000円を任意で徴収することを決めた。7月下旬から8月上旬までの10日間、5合目付近で集めるという。
 「昨年の富士山の登山者(8合目以上)は約31万8000人。世界遺産に登録された場合、30%増の約41万4000人になると環境省では試算しています。環境保全のためにも、入山料を徴収することで登山者を抑えなければならない。そこで計算したところ、現状レベルに抑えるには1人7000円、さらに少なくするためには1万円徴収という数字が出た。その試験的な意味での“入山料1000円”というわけです」(地元記者)

 しかし、この入山料徴収に不安を抱く地元住民もいるという。
 富士宮在住の旅行ライターが言う。
 「富士山はコースタイムが6時間で比較的登りやすい山のため、健脚なら日帰りで十分登れる。地元には夏場は週に一度は登るという猛者もいるほどです。来年から7000円徴収されるとなると、毎週登るという人も減るでしょう。しかし心配なのは、この夏、タダのうちに登っておこうという“駆け込み登山者”が急激に増えることです」

 入山料徴収が、駆け込み登山者によって一気に環境を悪化させる。これでは霊峰富士が泣くばかりだ。
 「富士山の環境問題を何とかするなら、五合目から下のゴミの不法投棄対策と、ゴミ処理施設の充実です。せっかくの自然も、観光客が残すゴミの山と化すと思うと切なくなります」(同)

 世界遺産登録で、どれほどの環境悪化を招くかは未知数。やはり登山者個人の自覚が一番だ。

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