さて、メールの話に戻りましょう。
私の携帯電話に最初に着信したメールはキャバクラ嬢と思われる女性からの年賀メールでした。「と思われる」としたのは、この女性とは最近、連絡を取り合っていないので、電話帳から削除していたから、誰かは確認できないからです。電話帳に登録されていないと、私の携帯は、「迷惑メール」フォルダに入るようになっています。この女性のメールも「迷惑メール」になっていました。
このメールはとても味気ない内容で、新年のあいさつの後に、「充実した幸せな一年になりますように」とあるだけです。「誰に宛てたものか」を示す名前もありません。きっと、送り主は、電話帳にある顧客リストに同報メールを送ったのだろうと推測します。次に届いたメールもデコメではありますが、似たようなものでした。せめて、名前入りのメールが欲しいものです。
と思っていたら、3通目で私の名前が入っていました。しかし、残念ながら、私が電話帳から削除してしまっていたのです。これも「迷惑メール」扱いです。ということは、私にとっては記憶に残っていないキャバ嬢ですね。
電話帳に残っている嬢からの最初のメールはA嬢からでした。最近ほとんど会っていないのですが、知り合った頃は、店を移籍するたびに、その店に行ったのを覚えています。最近も移籍したということを聞いていました。今度、行ってみようとぼんやりとは思いました。
やっぱり、実績のある嬢たちの年賀メールは、名前付きながらも、本当にあっさりです。紙の年賀状で送るように、余計なことは書かず、なおかつ、名前を入れて、さりげなく近況を添える感じです。数々の経験がそうした年賀メールを送らせるのでしょう。情報多すぎず、少なすぎず。「できるな」という印象を持ちます。
もう友達のようになっている嬢たちは、リアルタイム感がある内容です。海外旅行をしている嬢は「いまは、○○にいます」という内容だったりします。新年早々、はしゃぎすぎですよ、みなさん。
私が最近、お気に入りのY嬢からの年賀メールは、年始の出勤時間が記してあり、思い切り営業メール。もちろん、それは分かっていますが、営業全開というのも悲しいものです。
そして、いつも営業電話ばかりのK嬢も、やはり、いつから出勤しているとの内容入り。だから、もうあなたの店には行かないんだよ、とレスをここでしておきます。を持ちます。
もう友達のようになっている嬢たちは、リアルタイム感がある内容です。海外旅行をしている嬢は「いまは、○○にいます」という内容だったりします。新年早々。
<プロフィール>
渋井哲也(しぶい てつや)フリーライター。ノンフィクション作家。栃木県生まれ。若者の生きづらさ(自殺、自傷、依存など)をテーマに取材するほか、ケータイ・ネット利用、教育、サブカルチャー、性、風俗、キャバクラなどに関心を持つ。近刊に「実録・闇サイト事件簿」(幻冬舎新書)や「解決!学校クレーム “理不尽”保護者の実態と対応実践」(河出書房新社)。他に、「明日、自殺しませんか 男女7人ネット心中」(幻冬舎文庫)、「ウェブ恋愛」(ちくま新書)、「学校裏サイト」(晋遊舎新書)など。
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