極寒の中で競技を行う選手たちにとって、なくてはならないのがスキーウエア。しかし、1998年の長野五輪と比較すると、現在使用されているウエアの薄さは3mmほど薄くなっているという。また、ウエアの重さで体を浮かせるといった不正行為を防止するため、競技に臨む際には全身7か所の測定も義務付けられているとのこと。
また、スキーウエアの中に着用するアンダーウエアに関しても、現在は“半そで・短パン・厚さ5mmまで”という細かな規定が定められている。これも競技の公平性を保つための、大事なルールであるという。
ただ、こうしたルールを紹介する最中、番組進行役の永島優美アナウンサーは「中はもうちょっと厚手の物を着たりとかはできないんですか?」と疑問を口にし、番組MCの浜田雅功も「見つかることあんの?いちいち脱いでチェックされるわけじゃないでしょ?」とこれに続いた。確かに人の目につかない部分であれば、もう少し防寒対策の余地があっても不思議ではない。
しかし、そのチェック体制は想像以上に厳重なようで、質問を受けた小林は「実は僕失格になったんですよ。昨シーズンに」と明かしている。スパッツが下がるため紐で結んでいたところ、その紐が厚いことを理由に失格処分の憂き目にあったという。ルールの厳しさを物語るこのエピソードに、疑問をぶつけた浜田も「かわいそうやな」と同情の声を上げていた。
屋外の気温が氷点下−10度を下回ることもしばしばの“極寒”が、数多くの選手を苦しめた先の平昌五輪。スキージャンプにおいても、各国の選手が寒さに身を凍らせる場面が散見されたが、もしかしたら今回番組で紹介されたような“薄すぎる”ウエアにもその一因があったのかもしれない。
文 / 柴田雅人