首相側近の自民党関係者が打ち明ける。
「都知事選の投票日(2月9日)に巨人がキャンプを張る宮崎へ行けるかどうかの可能性を検討しているのです。宮崎では次期監督が約束された松井秀喜氏が臨時コーチを務め、宮崎キャンプ終盤の10日前後に長嶋茂雄氏(巨人軍終身名誉監督)も駆けつける。そのタイミングに合わせて首相も宮崎に入り、マスコミの話題をひきつけ、その勢いで都知事選の勝利に結び付けたいのでしょう。186回国会が召集されるのは1月24日。日程的には極めて困難ですが、日曜日の2月9日に朝一番で出発、とんぼ返りなら可能というシミュレーション結果は出来上がっているようです」
首相には巨人軍に借りがある。日本中が沸いた昨年5月5日に行われた東京ドームでの長嶋茂雄氏&松井秀喜氏の国民栄誉賞の授与式。世間一般では、ミスターの功績を称える安倍首相の超美技にも映るが、7月の参院選を見据え、2人の人気を当て込んだ「政治利用だ」という声もある。
実際、大勝利した衆院選の半年後の国政選挙にもかかわらず、危惧された揺り戻しもなく、自民党は圧勝している。
「実は、国民栄誉賞授与式後の5月8日、首相公邸で開かれた夕食会に渡辺会長、白石オーナー、長嶋氏、松井氏らが招かれているのですが、その際、宮崎キャンプ招待を首相に申し出たという情報もある。半分は儀礼的なものでしょうが、残る半分は本音。官邸で受けた夕食会の返礼を宮崎でしたいのではないか」(政界事情通)
いずれにせよ、次期監督の松井を売り出そうと躍起の読売グループにとっても、首相のサプライズは渡りに舟。ミスターばかりか、首相も駆けつけるとなれば、3氏による“始球式”再戦も予想され、「思惑通り、打てなかったのが残念」と悔しがっていたミスターの無念を晴らすこともできる。
そうなれば一層の話題となり、今季の巨人人気は約束されたのも同然。
ヤクルトファンの安倍首相の周辺からこんな情報が聞こえてくるのも、それだけ都知事選に危機感を抱いていることの証でもある。
「旧熊本藩主細川家18代の当主である細川氏は、実は朝日新聞の元記者。だから考えもリベラルなのでしょう。読売グループの総帥で安倍政権の『情報保全諮問会議』の座長に就任したナベツネさんにとっては、もっとも歓迎し難い人物。しかも、以前は東京五輪の返上さえ口にしている。2020年の東京五輪をグループ全体で盛り上げ、野球の五輪出場に期待を寄せるグループトップが、安倍政権に肩入れし、巨人キャンプで自民党陣営を引きたてよう、というのは実にもっともな話なのです」(読売新聞関係者)
昨年栄華を極めた首相と巨人。思惑通りなるか。