1番のキーポイントは、「M-1グランプリ」の復活である。開催時期は夏頃で、審査方法や審査員、出場資格、結成年数などの詳細は未定となっている。「M-1」は2001年〜2010年まで開催され、中川家、フットボールアワー、アンタッチャブル、チュートリアル、ブラックマヨネーズ、NON STYLE、オードリー、サンドウィッチマンなど、今テレビ番組で活躍しているお笑い芸人たちを数多く輩出。「M-1」で優勝または活躍できれば、確実にブレイクできるというお笑い賞レースだった。
「『M-1』の復活は若手芸人とっては、大変喜ばしい事だと思います。ただ、審査員や対戦方式など『THE MANZAI』としっかり差別化しなければいけないと思います」(東京キー局関係者)
すでに日本一の漫才師を決定する賞レースでは「THE MANZAI」が存在し、「M-1」はどのように独自の色を打ち出せるかが鍵となっている。そして注目すべきなのは、出場資格や結成年数。「M-1」のオーガーナイザーである島田紳助は、「M-1」を創った理由の1つとして、“若手芸人が芸人を諦める場”として位置づけていた。旧「M-1」の特徴しては、芸歴10年以内という出場資格が規定されている。
「今では芸人が増え過ぎて、中々活躍できない状況です。40代〜60代世代が詰まっているというのも1つの要因だと思います。20年前は芸歴10年で若手でしたけど、今では芸歴20年でも若手ですからね。そういった意味では、紳助さんが規定した“芸歴10年以内”という条件は、非常に素晴らしかったですね。厳しい言い方ですけど、質の悪芸人は辞めるべきです。もし、新たな『M-1』が再び芸歴10年以内を条件とするならば、つまらない芸人は淘汰され、芸人人口も少しは減少するでしょう」(構成作家)
芸人が増え過ぎた昨今。「M-1」復活によって来年はより激しい競争が生まれ、芸人人口が減少していくかもしれない。
次に注目したいのは、芸人の消耗度。2014年は日本エレキテル連合が大ブレイク。未亡人朱美ちゃん3号の「ダメよ〜ダメダメ」が、「2014 新語・流行語大賞」を授賞するなど、一大ムーブメントを巻き起こした。日本エレキテル連合は2014年4月頃から人気が爆発、瞬く間にテレビやイベントに引っ張りだことなった。
「これも由々しき問題。芸人は消耗品になっています。しかも年々、その期間は短くなっている。可哀想ですが間違いなく、彼女たちは消えてしまうでしょう。トリッキーな芸人ほど、消耗芸人になってしまう確率は高い。ロングセラー芸人はますます出にくい状況になると思いますね。日本エレキテル連合は、ブレイク期間が8か月。そう考えると来年はブレイク期間が半年ぐらいに短縮されるかもしれませんね」(バラエティ担当ディレクター)
2015年のお笑い業界は、芸人にとってはますます厳しい状況となりそうだ。