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友成那智 メジャーリーグ侍「007」 「青木宣親」「川崎宗則」「村田透」日本球界復帰の可能性は!?

 今週は目をマイナーリーグに向けてみたい。最初は3Aで1カ月近くプレーした後、7月20日にようやくメジャー復帰が叶った青木宣親である。

■青木宣親(マリナーズ)

 マリナーズの青木が3Aに降格したのは6月24日のことだ。
 理由は二つある。
 一つは、トップバッターとして期待されたのに、打率が低迷。盗塁失敗も多く、機能しなかったからだ。
 もう一つの理由は、青木とマ軍が交わした契約に「今季480打席をクリアすると、来季も年俸550万ドルでマ軍に残留できる」という条項があるため、球団は青木を3Aに一定期間置くことで、その実現を阻止しようとしたのだ。

 青木は来季35歳になる。メジャーでは30代半ばになった選手は先がないと見なされ、急に商品価値が下がる。青木の場合、昨年脳震盪に苦しんだこともあって、実力もやや低下。球団としてはできることなら来季、青木に550万ドルを支払いたくない。そのため、マイナーに落とされるレベルの成績ではないのに、降格させることにしたのだ。
 青木は降格後3Aで安打製造機と化し、3割5分前後の打率をキープ。とくに最大の課題だった左投手に対するバッティングでは大きな改善が見られ、ライナー性のヒットがコンスタントに出るようになった。

 3Aで期待以上の成績をあげてメジャー復帰を掴み取った青木だが、先行きは明るくない。
 青木はシーズン終了までに480打席に達しないと思われるので、オフに新たな所属先を探すことになるが、商品価値が急に下がる年齢になったので、レギュラーとして迎え入れてくれる球団はないだろう。2、3球団が4人目の外野手として年俸100〜150万ドルで獲得に動く可能性はあるが、4年間安定した成績を出したあと、今季、急に数字が悪くなったことを考えればマイナー契約しか提示されない可能性の方が高い。

 それを考えると青木が日本の球界に復帰する可能性は大いにある。
 メジャーから日本の球界に復帰して活躍した野手の代表格はロッテの井口資仁と阪神の福留孝介だが、青木はこの2人と同等かそれ以上の活躍を期待できる。日本球界復帰となれば熾烈な獲得合戦が繰り広げられることが予想され、契約規模は「3年10億円」くらいになるだろう。

■川崎宗則(3Aアイオワ)

 川崎は選手層の薄いブルージェイズに在籍したことが幸いし、'13、'14年はメジャーで80試合以上に出場した。しかし、昨季はブ軍に活きのいい若手が台頭したため川崎に対するニーズが減り、メジャーでは23試合しか出番がなかった。
 今季はマイナー契約でカブスに移籍したが、同球団はメジャーで最も戦力が充実したチーム。そのため4月と7月に数日メジャーに呼ばれた以外、ずっと3Aに在籍。レギュラー遊撃手としてプレーしている。

 3Aではずっと高い出塁率をキープしているので、8月にスランプがなければ、支配下選手枠が広がる9月に再度メジャーに呼ばれる可能性は十分ある。しかし、出番は限られたものになるだろう。
 カブスの内野陣はメジャー最強と言っていい陣容で、他球団なら中軸を担う実力を持つハビエア・バイエスが5人目の内野手(一番手の控え内野手)として使われている。控え内野手の2番手ラステーラも高出塁率をマークしているので、川崎が割り込む隙は、ほとんどないように見える。

 来シーズンは、どうなるのだろう?
 川崎はマイナーでなら安定した活躍を期待できるので、米国でのプレーにこだわるなら、来季もマイナー契約で雇ってくれるチームはあるだろう。しかし、すでに35歳。3Aのハングリーな環境でプレーする気力が尽きかけているようにも見えるので、日本球界に復帰する可能性は大いにある。

■村田透(3Aコロンバス)

 元巨人の村田は今季もインディアンズとマイナー契約し開幕から3Aで投げている。昨季は3Aの先発の柱としてチームの勝ち頭となったうえ、イ軍のローテーションに故障者が続出したため、スポット・スターター(ローテの谷間を埋める1試合限定の先発投手)としてメジャーに呼ばれ、30歳でメジャー・デビューを果たした。
 しかし今季、イ軍では若い投手が成長。ローテーションのレベルは、メジャー最強レベルに上昇した。3Aのローテにも逸材がひしめいているため村田はローテ入りできず、主にロングリリーフで起用されている。7月に入って制球が甘くなり防御率が3点台後半に落ちていることを考えれば、メジャー再昇格の可能性はほとんどないように見える。
 来季については読めない部分が多いが、本人は米国で投げることにこだわっているので、日本の球界に復帰する可能性は低い。

ともなり・なち 今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は大リーグ関連の記事を各媒体に寄稿。日本人大リーガーにも愛読者が多い「メジャーリーグ選手名鑑2016」(廣済堂出版)が発売中

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