「中日フロントは記録達成に備え、花束贈呈や記者会見の準備も進めていました。今年の中日の目玉は、ベテランたちの記録達成にありました。和田一浩の2000本安打、谷繁元信兼任監督の通算試合出場の日本記録更新。山本の勝利は、その真打ちでもあったのです」(名古屋在住記者)
ここで気になるのが、落合博満GM(61)の出方だ。これで今シーズンオフ、例年以上に厳しい中日の“大粛清”が避けられなくなったというのだ。
中日は現在、混戦セ・リーグから1球団のみ脱落し、最下位独走となっている。戦力補強の統括者はもちろん落合GM。しかし、「後ろ楯である白井文吾オーナーの続投が決まり、落合GMに関する批判はタブー」(球団関係者)だという。
「和田、小笠原道大、荒木雅博、川上憲伸らのベテラン勢が“大粛清”の標的。谷繁もいつまでも兼任監督を続けられるわけではない。彼らを昨年オフに慰留させたのも落合GMだが、『チャンスをものにできなかったのは自分の責任』とでも言って、おしまいでしょう」(前出の記者)
そのクビ斬りの動向を見守っている球団がある。ライバルの巨人だ。
14日の中日戦で、落合GMから解雇通達された吉川大幾(22)が3安打2打点と活躍し、ドラゴンズ関係者を黙らせた。同じく昨年オフ、中日を追われた堂上剛裕も代打、対右投手用の外野要員として活躍しており、巨人からすれば元中日選手は“宝の山”状態。自身が解雇した選手が活躍すれば、落合GMに対する心理戦の武器にもなる。
「内野手の頭数が足りていない巨人で、アライバコンビ(荒木雅博と井端弘和)と堂上兄弟を復活させるプランが持ち上がっています。新人・遠藤一星の台頭により、昨年の契約更改で落合査定にケチをつけた大島洋平も危うい」(同)
吉川は「中日のおかげ」とヒーローインタビューで言葉を選びながら喋っていたが、内心は違うはず。山本昌はもう一度登板する方向だが、その結果次第では、東京で“反落合・反中日同盟”が結成されそうだ。