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やるかやられるか 橋下がぶち込む常勝関西・公明党への3つの銃弾(2)

 まさに、やるか、やられるかの戦略ともいえるが、策謀家として知られる橋下氏は、この他にも別の布石を打ち始めているという。
 全国紙の政治部デスクがこう話す。
 「これはすでに一部で報じられているが、公明党の裏切りに恨み骨髄の橋下氏は、否決された都構想の行政区割り案を協議する『特別区設置協議会』(以下、法定協)のメンバー構成を変更。維新議員だけでの過半数確保を狙いだした。今では大仕掛けの策略を弄し始めたと評判なのです」

 ちなみに、現在、この法定協には府議と市議らが合同参加しているが、その内訳は維新10、公明4、自民3、民主系2、共産1の計20人。ところが、橋下氏は他党のメンバーを排除し、過半数を上回る維新議員を増員するために、府議会の攻略を目指し始めたのだ。
 前出の政治部デスクがこう続ける。
 「法定協の維新勢力を増加するためには、府議会の承認がいる。そのため、橋下氏は議会の過半数を維新で確保し、これを認めさせる方策に打って出たのです。府議会の定数は105議席で過半数は53。対する維新は51議席しかないが、同党には昨年府議会議決で造反し、除名させられた無所属議員が4人いる。橋下氏はこれを呼び戻し、過半数を超えた勢力で法定協メンバーの入れ替えを承認させようとしている」

 また、その一方、近づく出直し市長選の水面下では、「橋下氏の仕掛け」としか思えないような不穏な動きも出始めているという。
 「それが、聞こえ始めた東国原英夫元衆院議員の市長選への参戦説なのです。同氏は昨年末に維新を離党。同時に議員辞職したが、旧太陽の党系が仕切る国会議員団に馴染めなかったことが理由とされる一方、『橋下と運命共同体の日本維新の会・松井一郎幹事長(大阪府知事)から次期統一地方選で大阪府知事のイスを禅譲され、鞍替えのために辞職した』ともいわれていたのです。実際、離党時には本人も『橋下氏の重大決意を聞かされた』とも漏らしていたほど。その東国原が無所属出馬を検討している情報は、市長選に注目を集めたい橋下が、密約を餌に東国原を動かしたとの噂が広まっているのです」(前出・政治部記者)

 にわかには信じがたいが、仮にこれが橋下氏の計略ならば、まさになりふり構わぬ逆襲劇というほかはない。ただ、こうした噂が飛び交うほどに、橋下氏の“公明潰し”が苛烈さを極めているのも事実なのだ。
 維新関係者が、ここ最近の橋下氏の動向をこう話す。
 「現在、橋下氏はこの窮地を脱し、公明党に打撃を与えるためのあらゆる方策を検討、推進し始めている。水面下では安倍政権にも働きかけをしているのです。というのも、ここにきて自民党と公明党に隙間風が吹き荒れていることから、ここに付け入ろうという魂胆なのです。また、安倍晋三総理と橋下氏は以前から昵懇の間柄。菅義偉官房長官や安倍総理の陰の側近と呼ばれる衛藤晟一首相補佐官は、松井一郎大阪府知事と肝胆相照らす仲で、この人脈を生かして自民党市議連の“包囲網”を解かせようと必至なのです」

 果たして、橋下氏の数々の“巻き返し作”が功を奏するのか。

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