営業利益が49億5300万円(21.3%増)、純利益が31億8000万円(16.9%増)と民放の中でも目立つ存在である。
スポーツ中継枠拡大や音楽ライブ等が売りになり、新規加入者数が増加。とりわけ9月は1万7000人の加入数増で、合計260万人と契約中である。
「9月22日に宮城スタジアムで行われた、サザンオールスターズの生中継がきっかけになり加入者が増えた。また、スポーツイベントは『全米オープンテニス』なども貢献した」(放送業界関係者)
米テレフィーチャー『CSI:12 科学捜査班』『007 スカイフォール』などの貢献度もかなり高い。
その結果、通期の決算では、売上げ715億円(前年同期比1.5%増)、営業利益73億円(同13.7%増)、当期純利益が46億円(同7.1%増)とかなりの増収増益が見込まれる。
「連結で377名と社員が少ないのが強み。また、利益剰余金が258億円なのに対し、有利子負債が15億円と財務内容がいいのも“買い材料”になっている」(前出・放送業界関係者)
元NHKの和崎信哉氏が経営陣に入ってから、業績はかなり好転した。'06年6月に会長、そして社長になって以来である。
'84年に日本衛星放送としてスタートした時は、郵政省の天下り的立場で借金まみれであったが、今は財務も改善されている。
ただ、気になるのは有料放送なのになぜCMが入るのか、という加入者の意見も少なくない。
月額2300円(税抜き)という加入料も、しばらく据え置いたまま。値上げのタイミングを見計らっているのも事実。
和崎社長の今後の“綱さばき”に注目だ。
(編集長・黒川誠一)