KARA、超新星などが出演し、6月30日に開かれる予定だった『K-POP IN 豊岡・神鍋高原』のイベントが突如中止となった。プロモーターは、大阪のアンフィニジャパンという設立2年目の会社。原因はチケットが売れなかったためで、こう釈明している。
《当初予定していたチケット販売計画は大幅な変更を余儀なくされ、チケット販売が低調に推移しました。その結果、上記イベントを開催するために必要な各プロダクション、各業者への支払資金をねん出することができなくなり、中止させて頂くこととなりました》
同社は音楽イベントを一度も手がけたことがなかった素人というから驚かされる。たしかに会場は、大阪や神戸から車で3時間もかかる辺ぴな場所である。多数のアーティストが出るので、それぞれの持ち時間はごくわずか。単独ライブならまだチケットは売れていただろう。
「アンフィニ社はこれから破産申請をするというが、その金にも事欠いている状態という。チケットの払い戻しも難しい状態です」(K-POP関係者)
ファンは泣き寝入りをするしかない。
また、昨年10月にJYJ(元東方神起の3人で結成)の『東日本大震災被災者支援チャリティーイベント』を企画した東京のザックプロモーションも倒産した。東京地裁から民事再生手続きの廃止決定を言い渡され、7月には破産決定が出る見込み。
「ザックは海外の有力アーティスト招へいでは実績がある。これまでマドンナ、スティングなどを手がけ、ピーク時には10億近い売り上げがあった。東日本のチャリティーイベントでは、不透明な義援金の流れから信用を失ったが、その矢先の倒産だった」(興行関係者)
こうしたK-POP系呼び屋の倒産の背景に、彼らのワンステージの売値が高騰している点は否定できない。同時に、日本でのK-POPは供給過剰状態。一部のアーティストを除いては、目論見どおりのチケット枚数が売れなくなっている。さらにK-POP人気で食い込むプロモーターの数がやたら増えて過当競争になっている。
借金や赤字を抱えても、次々にコンサートを企画しないと、売り上げが入ってこないため、多くのプロモーターは負の連鎖のもと、綱渡り経営を続けている。
年内にもK-POP呼び屋数社の倒産が噂されている。だが、被害者はチケット代金が返却されないファンの方であろう。こうした詐欺行為まがいの呼び屋にはそれなりの罰を望むところだ。
(編集長・黒川誠一)