デビュー当初からオークス一本に目標を定めてきたディアジーナ。田村調教師はオークスが調子のピークになるように、本番から逆算して用意周到にローテーションを組んできた。
一生に一度の桜花賞に見向きもしなかったのは、「クラシック戦線は消耗戦だから」。レース選択は必要不可欠という堅い信念によるもので、ここまで青写真通りに愛馬はステップを歩んでいる。
注目の1週間前追い切り(14日)は、南ポリトラックでエアラスティング(3歳500万)、スズアルプス(3歳未勝利)の2頭を1秒追いかけてスタート。5F66秒6→52秒1→37秒9→12秒0を楽々とマークした。とりわけ、終いの切れは鋭く、中エアラスティングと併入、内スズアルプスには1馬身先着と臨戦過程に狂いがないことをアピールした。
「普段からオン、オフの気持ちの切りかえが上手だし、このひと追いでスイッチは入ったと思う。明日からは戦闘モードにかわるでしょう。来週は微調整するだけでいい」と田村師は納得の表情を浮かべた。
前走のフローラS(1着)は「外枠(16番枠)がちょっと嫌だった」と振り返ったが、結果は2馬身差の完勝。迎え撃つ関東勢の筆頭格として躍り出た。何より、東京コースはクイーンC、フローラSの2重賞を含め、<2010>とほぼパーフェクト。関東初見参のブエナビスタに対し、地の利は大きい。
田村師は「賢くてレースセンスがいい。内田(騎手)さんがレースでいろいろ教え込んでくれてるけど、1回で学習してしまう。現時点で課題はないですね」と胸を張る。
桜花賞組とは別路線を歩んできた関係で、ブエナビスタと初対決になるのも魅力だ。「相手は相当強い。こっちは参加させてもらう立場です」とトレーナーは謙虚に語るが、そこは全身全霊をかけてきたオークス。“秘策”がないわけはないだろう。メイクドラマをこうご期待だ。