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小泉進次郎氏包囲網拡大

 金融恐慌を理由にしているが、結局のところ自らの不人気から解散・総選挙の時期をズルズルと先延ばしにしている麻生太郎首相。しかし、水面下では各政党の候補者探しが本格化している。中でも注目は小泉純一郎元首相引退後の神奈川11区(横須賀市、三浦市)だ。地盤を譲られた次男・進次郎氏が「父の威光を後ろ盾に圧勝する」との予測も出る中、民主党は強力な対抗馬を立てようと画策中。純一郎元首相のお株を奪うような“サプライズ”が飛び出すかもしれない。小泉家4代目へのバトンタッチは案外、困難を極めそうだ。

 小泉元首相の突然の政界引退宣言により、これまで「無風選挙区」だった神奈川11区はがぜん「注目の選挙区」へと変貌した。もっとも、地元政界通は「進次郎くんならトップ当選間違いなしでしょう」(会社会長)と、地盤を継いだ次男・進次郎氏に太鼓判を押す。
 いつのまにやら“カリスマ政治家”にまで上り詰めていた元首相の息子が、そのまんま地盤を継ぐというのだから、前出のような意見もうなずける。「加えて進次郎氏自身の評判も今のところいい。なにしろルックスがさわやかだから、女性受け、高齢者受けするんです」(前出・会長)と、本人の下馬評も悪くないようだ。
 しかし、地元を中心に早くも盛り上がりつつある“進次郎人気”を、世間は冷たい目で見ているようだ。その第一の理由こそ、まさに「世襲」だ。永田町関係者が指摘する。
 「いまさらですが、小泉元首相の“最後のサプライズ”は大失敗だった。自分の政治家としての価値をゼロにしたと言ってもいい。『自民党をぶっ壊す』がウリ文句だったのに、その自民党に最愛の息子を委ねるんですから。ぶっ壊してもいなければ、変人を気取った切れ者でもないことを自ら証明してしまった。いまやただの『親バカ政治屋』です。いくらなんでも、まともな有権者なら『化けの皮がはがれた』と思って今まで支持していたことを後悔しますよ。まあ自分は辞めるんだからいいでしょうが、果たして狙いどおり禅譲がまかり通るか、進次郎氏の今後は意外とイバラの道じゃないでしょうか」
 こういった指摘から、少なくとも進次郎氏の「楽勝」の線よりは「混戦」の可能性が高そうな神奈川11区。衆院選に政権奪取をかける民主党は、どんな手を使ってでも勝たなければならない選挙区として候補者探しに奔走中だ。
 “候補者候補”の第1弾として名前が挙がったのが前長野県知事で民主党と選挙協力する新党日本代表の田中康夫氏。先月末に鳩山由紀夫幹事長が出馬の可能性を匂わせたものだが、民主党広報は「その話自体聞いていない。神奈川11区については候補者を模索中です」と、そっけない。前出・永田町関係者は民主党の苦しい“台所事情”についてこう解説する。
 「田中さんの出馬はまずないでしょう。そもそも田中さんが進次郎討伐の刺客となれるのかも疑問。選挙協力体制にある新党日本の代表自ら落選させるわけにはいきませんからね。ただ、民主党はほかにもいろいろ手を考えていて、水面下では動き回っていますよ。インパクトと知名度があって、しかも万が一落選しても党のイメージに傷がつかない人間。これが神奈川11区の候補の条件でしょうね」
 民主党が狙いを定める1人が、お笑い芸人として現在ブレーク中のEだという。Eといえば奇声を上げるギャグが一世を風靡したが、前職は「マナー講師」だけあって人柄はかなり折り目正しいと評判で、スーツも似合う。加えて先日某番組の企画でマラソンを完走したことで人気の幅を老若男女にまで広げた。候補として、また進次郎氏の刺客としても十分な器だろう。ただ、「そのマラソンが逆に出馬の邪魔になっているんです。人気が再燃しCM契約などが増えたため、突然の出馬というわけにはいかない。せっかくブレークしたんだから、本人もまだ芸能界を楽しみたいでしょうしね」(芸能事務所関係者)と、実現は微妙な様子。
 しかし民主党は、さらなる隠し玉を準備中という説もある。純一郎元首相には、進次郎氏の下に三男がいるのはあまり報じられない本当の話。離婚成立後に元妻・佳代子さんが産んだ子で現在25歳、名を佳長氏という。情報は薄いが、京都外語大卒とも慶応大卒ともいわれる秀才だ。「佳長氏は(進次郎氏のように)親のコネをフルに使って『米シンクタンク出身』なんて経歴を作るボンボンではないですから。育った環境もあって人の痛みの分かる好人物らしい。民主党執行部はこっちを対抗馬に立てられないかと画策しているようです」(野党関係者)。出馬すれば、本邦初となる「小選挙区兄弟対決」が実現するわけで、注目必至だ。民主党関係者が締めくくる。
 「いずれにしても党執行部は『神奈川11区はいい候補を立てさえすれば勝算がある』と読んでいます。前回『郵政選挙』での大敗の借りを小泉一族に返してやりたい気持ちもありますし、世襲の象徴的存在ともなった進次郎氏の当選は是が非でも阻止したい。必ずや某かの刺客は送り込みますよ」
 ボンボン4代目に今後、さらなるプレッシャーがのし掛かることは間違いなさそうだ。

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