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107年前の6月30日に起きた天変地異「ツングースの大爆発」

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画像はイメージです。

 今から遡ること107年前の1908年6月30日、広大なシベリアのエニセイ川支流のツングースカ川上流に空から火の玉が飛来、大爆発を起こすという事件が起きた。爆発の勢いは凄まじく、1000キロ離れた地点にある家の窓ガラスが割れ、爆発の際のキノコ雲も数百キロ先から見ることが出来たという。この爆発により、周辺約2150平方キロの森が破壊された。

 ツングースの大爆発が起きた時、ロシアは日露戦争終戦直後でありまたロシアの国内情勢も不安定だったため、しばらく調査は行われなかった。

 1921年、鉱物学者レオニド・クーリック博士らを中心とした科学アカデミーによる調査団が結成され、現地調査や探検が行われた。その結果、複数の衝撃音が連続して聞こえた事や、爆発直後は森で火災が起きたこと木々が焼けたり折れるだけではなく根こそぎ倒されているものも多数存在すること、皆同じ方向に倒れていることなどがわかった。また、落下地点では新種・奇形の生物が発見されたり成長が止まるないしはその逆で成長の促進や肥大化が見られたという。

 当初からツングースの爆発は規模の大きさから隕石の落下ではないかと見られていたが、肝心の隕石自体が見つからなかったことから、彗星が衝突したのではないかと見られていた。彗星の核はその大半が氷で出来ているため、彗星の核の一部が剥がれ落ちて墜落した結果、隕石衝突とよく似た現象が起きたのでは、と考えられたのだ。

 このツングース大爆発はなかなか原因が解らなかったため「宇宙から飛来した宇宙船が墜落の後爆発したものだ」とする説も現れた。しかし、これは1946年にロシアのSF作家アレクサンドル・カザンツェフが執筆した小説「爆発」に影響されたものであると見られている。

 ツングース大爆発の原因は長きにわたって不明のままであったが、2013年に泥炭層より発見された微小の断片より、地球上に存在せず宇宙由来の物質に存在する鉱物を複数発見。これにより、原因は彗星ではなくやはり隕石の衝突によるものであると結論づけられた。爆発の規模の割に、隕石衝突の際に起きるクレーターが生じなかったのは、もともと隕石の規模が小さく大気圏突入時に更に分裂してしまったためと考えられている。また、大量の木々が根こそぎ倒れてしまったのは衝突前、隕石が大気圏に突入した際に生じた下降気流、エアバーストによるものだったとされている。

 ちなみに、空を流れる彗星や大きすぎる流星は古来より不吉や異変の前触れとされてきていた。ツングースの大爆発より6年後に第一次世界大戦が、またほぼ10 年後にロシア革命が起きている。もしかすると、ツングースの大爆発はこれから起きる戦争や革命の前触れだったのかもしれない。

写真:1927年撮影の「ツングース大爆発」写真
文:和田大輔 取材:山口敏太郎事務所

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