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美輪明宏、世界的な右傾化に警鐘「きな臭くなってきています」

 太平洋戦争時にペリリュー島で繰り広げられた日米の戦闘の記憶に迫るドキュメンタリー映画『追憶』のプレミア試写会が27日、都内で行われ、本作のナレーションを担当する美輪明宏が登壇。試写客を前に自身の戦争観や、世界的に進む右傾化への思いを語った。

 太平洋戦争について「(アメリカとは)財力も何も全然違った。向こうはバズーカ砲だとか原爆を作っていたんです。日本は竹槍です。なのに一億玉砕だとか(軍の人間は)勝手なことばかり言ってね。愚かな参謀本部の連中のために、日本人が日本人を殺したようなもの。(兵士は)妻や子供や自分の恋人に会いたいと思いながらも亡くなっていった」と語った美輪。

 「大和の国とは大いなる和の国と書きますでしょう。戦うということはもうそれだけで日本ではなくなるということなんです。(太平洋戦争が激化して)まず水商売は禁止になりまして、音楽もクラシック、シャンソン、ジャズも全部ダメって。軍歌しか歌っちゃならないって。きれいな着物も警察で脱がされてもんぺに着替えさせられてね…。そういう時代に突入していってしまった」と自身の記憶を振り返り、「軍部には人格者もいましたけど、全く出世できない。サディストでこんな悪いのがというのに限って出世したりする。そういうものを間近で見てきたので軍国主義は憎むべきものだと思っています」としみじみ。

 「今は世界中がどんどん右傾化してきていますでしょう。アメリカのトランプや、フランスもルペン党首みたいな右みたいなのが台頭してきて、英国もクイーンエリザベスやヴィクトリア女王の時代に逆戻りしようとしている。日本もそう。きな臭くなってきていますよね」と続けると、「ここらへんで日本人も自覚しないといけない。第二次大戦の時のあの愚かな、とにかく根性論だけで何にも計算も知力もない、そういう時代に戻っちゃいけないって」と右傾化の波に警鐘。

 「きな臭くなって『徴兵制度を』なんて言う議員もいるわけです。それだけはやめさせないと。徴兵制度って言うんだったら自分たちが行けばいいんです。自分たちが行くと思っていないからあんなこと言えるんです。だったら、言い出しっぺの責任をとって、自分たちの奥さんも共同責任者として慰安婦としてでも連れて行けばいいんです」と話し、「(そうなると)戦時中と同じです。それを阻止するためにもこの映画をご覧になってください。今の状態がどれだけありがたいことかわかります。食べられる、着られる、安心して寝られる…当たり前だと思っていることが、どれだけありがたい、嬉しい、幸せなことかというものを若い方でも分かっていただけると思います」と熱く話していた。

 イベントには本作の小栗謙一監督、プロデューサーの奥山和由、原案の升本喜年も出席。『追憶』は11月5日より公開される。

(取材・文:名鹿祥史)

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