数人のガードマンに囲まれて厳戒態勢で行われた結婚式と披露宴。宇多田は「イタリアでの暖かい反響にとても感動していますが、どうか彼と彼の家族のプライバシーを尊重して頂けますようお願い致します。世間の注目の的になることは精神的に大きな負担であり、恐いものでさえあります。私のせいで私の新しい家族が辛い思いをしたり危険な目に合うのは、とても悲しいです」と、心境を伝えていた。だが、地元民やマスコミは許してくれない。地元紙は「ウタダはみんなに受け入れられなかった」、「招待客を使った壁で二人を一般人の視界から封じようとした」と、批判的だった。
宇多田は世界的に認知されたアーティスト。「心苦しいのですが、結婚式はショーではないということをどうかご理解ください」と発言したが報道は過熱する。式出席者は約100名。やじうまは約500名。小さな田舎町の住民ほとんどが集まった感じだったのだろう。
宇多田がカリアーノ氏との結婚を決めた大きな理由が、大家族との生活、ふれあいだった。そしてその思いの通り、この家族は明るく賑やかで、宇多田の心をガッチリと掴んだ。母の藤圭子さん(13年8月没・62)と音楽プロデューサーの父・宇多田照實さんの一人娘として育てられたが、兄弟がいない寂しさは常にあった。
「仕事を持つ両親に育てられ、子供のころから一人で過ごすことが多かったヒカルは暖かい家庭に憧れていたんですよ。それが一回目の結婚だった。しかし、夫も仕事人間だったからね」(音楽関係者)
02年、宇多田は写真家で映画監督の紀里谷和明と結婚。デビュー5年目、ファーストアルバムの『First Love』から『Distance』、『DEEP RIVER』まで超大ヒットを続ける19歳だった。離婚は07年。お互い多忙で生活のすれ違いが理由だった。あれから7年。自由に芸能活動を続ける宇多田は、生活に困ることのないだけの収入が確保されている。
「いまの彼女は、カリアーノとの生活が第一。そして、彼の家族。大家族での暮らしが夢だったからね。これからも芸能活動はすると思うけど、作詞・作曲がおもな仕事になるでしょう。コンサートやテレビ出演は彼女の頭にはない」(音楽ディレクター)
宇多田は大家族に囲まれて、イタリアの田舎町でのんびり暮らすことになるのだろうか。