芝1800メートル1分47秒2という走破タイムもまずまずだが、注目したいのは上がりのラップ。1000メートル通過が61秒5のスローの上がり勝負とはいえ、ラスト3F11秒3→11秒0→11秒2というレースラップに対し、自身はゴール前、手綱を抑える余裕で33秒2。ラスト2F目に、推定10秒9の数字をマークしているし、その気になって追えば、10秒台の連続ラップが出たかもしれない。
中山ほどではないにしろ、坂のある阪神でゴールが近づくに従ってグングンと加速するこのラップは出色だ。ちなみに、デビュー3戦以内に、このようなラップ形態を示した馬にはスイープトウショウやウオッカなど後のGI馬が名を連ねている。
しかし、レース後に骨折が判明。ダービーに間に合うかどうか。全治6カ月が微妙だが、通信簿の評価は今季初の「5」。復帰がかなえば、クラシックの最有力候補の一頭であることは間違いない。
リルダヴァルと比べると、記録や数字が色あせて見える先週だったが、阪神芝1600メートル戦のトーセンファントムは、水準レベルの1分35秒8。ラスト3Fも、11秒4→11秒2→11秒6(34秒2)というレースラップに対し、自身は34秒0。欲をいえばラスト2Fに10秒台の確たるラップが欲しかったが、通信簿は平均評価の3はあげられる。
芝の1200メートル戦は中山、阪神と2つ組まれていたが、中山のランドスパウト、阪神のグレナディーンともに勝ち時計は1分9秒台。2歳秋のこの時期に、このタイムが出せれば、短距離のオープン戦でも上位争い可能でしょ。
ただしランドスパウトは、ハングリージャックの1位降着の恩恵を受けてのタナボタ。阪神芝1200メートルは0秒5程度、中山より時計の出にくいコース形態であることを思えば、グレナディーンに一日の長あり。
中山・芝1800メートル戦のメジロカルヴィンは、中山の急坂を上がり3F34秒9でまとめたとはいえ、1分54秒4のタイムはあまりに平凡。芝1600メートル戦のコスモヴァルールに至っては、1分40秒9で上がりも35秒5。相手関係に恵まれたということでしょう。