大阪では、西成区のあいりん地区と並ぶ“薬物地帯”といわれるアメリカ村。昨年春にも、大麻がクラブやブティック関係者の間で蔓延し、その噂を聞きつけた若者やバイヤーが入り乱れ無法地帯と化した。
「特にクラブでは普通に売買されていましたよ。しかも誰が流したのか『大麻は合法化される』とか『覚醒剤のような中毒性がない』などといったデマが若者の間で広がり、それが拡散に拍車を掛けるという状態になっていましたね」(風俗ライター)
しかし、薬物販売が付近の路上まで広がるに及び、大阪府警が摘発に動き出してドラッグビジネスは地下に潜ったかのようにみられた。ところがここへ来て、再び大っぴらに出回っているというのだ。
「場所はアメリカ村の中心にあるライブパフォーマンスのメッカ、三角公園周辺。ここに集まるミュージシャンやパフォーマー相手に男が手売りしているのを見ました。あるときは、夜遅くに現れたラッパー風のミュージシャン相手だった。話を聞けば『最初はお試しやからタダ。次からは2000円で、その次は8000円。探さなくてもええよ、こっちから声かけるから』と言われ、紙包みを渡されたそうです」(事情通)
試供品まで配り売り捌く人物は何者なのか。地元黒服が「様子を見ていても、場所が交番の目と鼻の先だけにヤクザ関係ではない。チンピラ連中が合法ドラッグの延長で軽い気持ちでやっている」という見方をする一方、アメリカ村のクラブ関係者はこう話す。
「年末に大規模な取り締まりの話もあるから、半グレ連中がダブついてるドラッグの在庫一掃をしているのでは。ミナミの半グレ連中は御堂筋を境に東西で勢力が分かれているとされ、東は暴力、西のアメ村側はクスリといわれている。コッチ側が、捕まるのを覚悟で素人を使ってカネ儲けしてるんでしょう」
大阪府警と地元自治会はあらためて薬物一掃の構えを見せているが、売人グループは人波の中…。イタチごっこは続きそうだ。