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中年の進行が早い寿命を縮める「慢性腎臓炎」の放置厳禁6症状(2)

 近年になって、慢性腎臓病は心臓病の狭心症や心筋梗塞、脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)や、下肢の閉塞性動脈硬化症などの病気と関連が深いことがわかってきた。
 というのも、腎臓の主役は糸球体といわれるもので、毛細血管の塊。ここに動脈硬化が起これば、当然、腎臓の働きが衰えCKDの進行程度がわかるようになるなど、全身の血管の変化を映し出す“鏡”となるからだ。加えて、CKDが進行すると貧血も進み、心臓をはじめ全身の組織への酸素供給と酸素利用が阻害されてしまい、心臓への負担が大きくなる。それで心拡大、狭心症、そして心不全へと至るので、とても怖い状況を生むのだ。

 高血圧症においても同じだ。腎臓には血圧をコントロールする役割があるが、CKDにかかると高血圧を引き起こしやすくなる。また逆に、高血圧の患者がCKDを引き起こしやすくなることも判明してきたといわれる。
 「これまでのように、病気別の取り組みではなく、腎臓病全般にわたる共通の治療法によって、腎臓障害の回復や改善が可能になりつつあると言えます。そこで、腎臓と血圧の関連から、降圧効果とともに腎臓を障害から守る薬が開発され、CKDの治療に光明をもたらしています。動脈硬化の進行を抑え、血糖をコントロールする薬、血栓症を予防する薬なども開発されて効果を上げつつあります」(同)
 しかし、CKD治療が長足の進歩を遂げつつあるとはいえ、一歩間違えば命の危機に遭遇しかねない。やはり病気は未然に防ぐに越したことはない。

 高血圧症を例に取ってみると、ショッキングなデータがある。日本高血圧学会で発表した3年前のAVA−E研究によると、高血圧の人の中で腎障害を抱えた人の割合は、実に約40%であることがわかった。国内の高血圧患者は4000万人と推計され、その40%とすれば1600万人もの人が病状の違いこそあれ、腎障害があることになる。つまり、5人に2人は症状が見られたということだ。
 「血圧は135/85より高ければ高いほどよくなく、糖尿病を合併している場合も同様です。ですから、尿検査が陰性でも、これらの人は降圧剤のACE阻害薬などで少しでも血圧を下げ、他のリスク因子を潰すことが大事になります」(同)
 進行を防ぐには「減塩」「禁煙」、「酒を飲み過ぎない」「肥満の解消」などが有効だという。

 最後に、腎臓病で高血圧と関連性が深い症状についてお伝えしよう。
 まず、頭重感、頭痛、めまい、肩こり、動悸、吐き気、手足のシビレ、顔面のほてり感などの自覚があること。また、次のような多彩な症状は、腎臓が中等度障害から高度に進行した場合に表われるが、放置しないでほしい。
1 倦怠感や活力低下
2 集中力低下
3 睡眠障害
4 夜間の筋ケイレン
5 乾燥肌、皮膚のかゆみ
6 頻尿(とくに夜間多い)

 とくに尿について言えば、健康な人は、毎日4〜5回に分けて、1〜1.5リットルの尿を排泄する。尿をコップに採ってみれば透明で、沈殿物も見当たらない。しかし、その尿量、尿の性状、排尿を精査し、異常が見つかればCKDが疑われる。
 専門家は「尿は腎臓の鏡」と言う。尿水の色、尿の泡立ち(泡は5分以内に消える)などは自分で簡単にチェックできるはずで、ぜひ実践してほしい。

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