A:私も、専門家に足の裏を揉んでもらったところ、翌日、どっさりと便が出たので驚いたことがありました。20回も排便があったので、体に何か異変が起きたのではないだろうかとさえ思いました。
専門家に行ったので特に効果があったのでしょうが、足の裏を揉むと確かに便秘の改善に効果があります。
足の裏には、全身の病気や症状の改善に有効なゾーン(反射区)やツボがたくさん集まっています。それらは、体のそれぞれの部位を反映しています。
●反応がある部分を揉む
そのため、体の特定の部位に不調や病気があるとき、それを反映する反射区やツボを揉むなどして刺激すると、しこりや痛みなどの反応が出ることがあります。
そこで、その反応が出ている部分を、押したり揉んだりして刺激を加えると、その反応が次第に和らいできます。それにつれて、体の不調や症状も改善してくることがあります。
便秘が関係する腸の反射区は、土踏まずのところにあります。このゾーンを、押したり揉んだりしますが、少し痛いところは特に丁寧に揉みほぐすようにマッサージをするとよいでしょう。
あるいは、竹踏みをして、土踏まずを刺激する方法もよいと思います。
便秘に限らず、健康の維持・増進のために、足の反射区を刺激するのはよいことです。
●握足手もオススメ
私が勧めている方法の一つに、「握足手」があります。足の指の股には「八府」というツボがあり、握足手はこの八府を刺激します。次のように行います。
1、左足の指と指の間に右手の指を差し入れる。指間は4箇所あるので、人差し指から小指までの4本を、それぞれ差し込む。
2、足指に挟んだ手の指をギュッと強く握りしめる。以上の1と2を繰り返し行う。
3、最後に、左手で左足の足首を押さえ、右手で左の足指全体を握って、グルグル回す。これを何回か行い、終わったら、次に左手を使って右足に同じように行う。この握足手を行うと、指から指の付け根にかけての血液循環が促進されるので、足が温かくなるし、むくみが取れてスッキリし、足が軽くなります。
毎日継続して行っていると、腰痛、肩こり、膝の痛みなどが改善するなど、さまざまな健康効果が得られます。足の反射区刺激あるいは握足手を健康法として取り入れるとよいでしょう。
今井一彰氏(みらいクリニック院長)
山口大学医学部卒業。東洋医学などさまざまな医療を駆使し、薬を使わずに体を治していくという独自の観点に立って治療を行う。日本初の靴下外来も設置。