近い将来の女宰相との呼び声高い2人の自民党女性議員が、閣僚以上に難しい重要ポストに相次いで抜擢された。この2人、「女の戦い再燃」ともっぱらだ。
注目の2人とは、安倍首相への歯に衣着せぬ過激発言が話題となる野田聖子前総務相(58)と安倍チルドレンの高市早苗元総務相(57)だ。野田前総務相は衆院予算委員長、そして高市元総務相は衆院議院運営委員長に就任したのだ。衆院事務局関係者が言う。
「女性の予算委員長就任は衆院初。女性の議運委員長は衆参両院を通じて初です。予算委員会は国家予算を審議するので各委員会の中で最も重要視される。また、東京地検などに訴追の可能性のある政界疑惑も予算委員会で集中審議されるなど花形委員会です。この委員会を仕切るには力技がいるため、閣僚経験者クラスで大物男性議員が起用されてきた。かつては竹下登元首相、小渕恵三元首相、二階俊博幹事長らが就任しています」
議運委員長も、政権の意向をくみながら野党との激しい駆け引きをするポスト。
「各野党ともベテランの狸議員を多く配置してくるため、並みの委員長では太刀打ちできない。ここも閣僚経験者で大物男性議員が就くのが慣例とされてきた」
2人の経歴をベテラン秘書が紐解く。
「野田氏は、建設大臣などを歴任した野田卯一の孫。小渕内閣では、37歳の若さで郵政相に抜擢され、古賀誠元幹事長などに覚えめでたく、早くから“日本初の女宰相候補”と言われた」
一方の高市氏は松下政経塾出身、米国で政策スタッフも経験している。尊敬する政治家は“鉄の女”サッチャー元首相(英国)だという。
「熱心な安倍チルドレンだから、安倍1次内閣で内閣府特命担当大臣、以降は政調会長、総務相と陽の当たる道を歩んでいる。初の女性首相は野田が先か、高市が先かと囁かれる存在です」(政治部記者)
一時は小泉元首相に可愛がられた小池百合子氏に初の女宰相で先を越される、と言われたものだが、小池氏は衆院議員から都知事に鞍替えし、都政から永田町へ殴り込みをかけようとした矢先に失速したのは、周知のとおり。今回、どちらも女性初の重要ポストに就いただけに、ライバル意識がメラメラだ。
自民党ベテラン議員が語る。
「問題は2人とも無派閥なこと。加えて最近、安倍首相が密かに育てようとしている稲田朋美元防衛相(59)が筆頭副幹事長就任で虎視眈々と2人超えを狙っています。別称『野高戦争』、どちらが勝つかのカギは国民人気でしょう」
稲田氏も含め、年齢が近い“アラ還”3人のバトルは熾烈を極めそうだ。