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告発者・三井環氏に聞いた 猪瀬前都知事“逮捕”の可能性

 徳洲会マネー5000万円で辞任に追い込まれた猪瀬直樹前都知事(67)に東京地検特捜部の足音が迫っている。しかし、告発状を提出した当事者の三井環氏(市民連帯の会代表・元大阪高検公安部長)は、捜査の挫折を危惧している。
 「公職選挙法違反なら昨年中にでも立件できたが、今年にずれ込んだということは贈収賄での立件を狙っているはずです。ただし猪瀬氏は、都知事選に細川護煕元首相担ぎ出しに成功した小泉元総理や現職の石破茂幹事長に極めて近く、彼らからの“天の声”が下りることで捜査が頓挫する可能性は否定できません。猪瀬氏の一件は『日歯連事件』とよく似ているからです」

 同事件は、'04年春に日本歯科医師連盟による診療報酬を巡る汚職事件や、日歯連会長選に絡む横領と政界に絡む選挙買収やヤミ献金が発覚した一件。日歯連の幹部、自民党国会議員を含む計16人が起訴され、全員の有罪が確定したが、橋本龍太郎元総理、野中広務元自民党幹事長、青木幹雄元自民党参院幹事長の3人に対する日歯連会長からの小切手1億円贈賄についての立件は断念された。
 「結局『けもの道』を知らないで引退した村岡兼造氏だけが在宅起訴され、中途半端なまま捜査は終結した。今回『けもの道』を知っている小泉、石破両氏が動いて、小津博司検事総長に『検察の裏金問題をどうしますか』と尋ねれば、猪瀬氏への捜査が打ち切られる可能性は否定できないのです」

 三井氏の語る「けもの道」とは、'01年に当時の原田明夫検事総長が、検察の組織的裏金づくりを隠ぺいするために第1次小泉内閣に借りを作ったことをいう。名付け親は、後藤田正晴元法務大臣だ。
 「検察が時の政権に擦り寄って貸し借りを作る。これは検察が政権に対してとるべき道ではない『けもの道』です。裏金隠ぺいで政権に借りを作ってしまった検察は、贈収賄などの捜査に着手する過程で『裏金づくりを公表しようかね』と持ち出されれば捜査を中断せざるを得ないでしょう」

 猪は「けもの道」を突っ走るのか。

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