その名は『クロコダイル』。なぜ“ワニ”と呼ばれているかは後述するが、効果はアヘンの3倍強力なのにヘロインの10分の1の値段で手に入るとして、若者を中心に瞬く間に広がり、現在のところ中毒患者は120万人いるとされている。要は、安くて効き目の強い“おトクな薬物”というわけだが、そのぶん副作用もすさまじいという。
「クロコダイルの主な成分はガソリン、リン酸、シンナーなど。使用すると、皮膚や筋肉、骨、そして脳などが体内から壊死していくんです。この副作用に苦しむ患者の写真が海外のニュースメディアで報じられるや否や、日本でも大きな話題になりました」(海外のドラッグ事情に詳しいフリーライター)
ネットにアップされている写真では、足の先が真っ黒になっている女性や、膝から下の皮がめくれて肉が丸見えになっている若者などが写っている。また、動画サイトでも、副作用で手先が黒ずんで壊死していく患者、肘から先の肉がなくなり、骨が丸見えになって呻いている裸の女性患者など、「これが本当に生きている人間か?」と疑うようなすさまじい映像が投稿されているのだ。
「そう、肉を腐らせ、まるでワニに噛まれたような身体になってしまうことから“クロコダイル”と命名されたのです」(同)
さらに、見ているこちらが目を背けるほどのグロテスクな姿になっている患者であっても、クロコダイルの鎮痛作用によって痛みに気づかない。しかも、その覚醒効果はわずか1時間半から2時間と短いため中毒性が高く、患者の大半が1年以内に死亡し、残りの患者も2〜3年で死んでしまうとされている。
日本では今のところ、そのゾンビのような姿を目にして「怖すぎる…」との声が多数だが、なかには「そんなに気持ちいいのか」と、命と引き換えにしても止められない過激な薬物に興味を抱く輩もいる。もともと薬物愛好者は命知らずが多いから、試してみる者が現れてもおかしくないだろう。
ひょっとしたら、近い将来、ゾンビのような姿の中毒患者が日本の街を徘徊するようになるかも!?