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八王子スーパー強盗殺人事件 18年目で急浮上する容疑者特定のカギ

 1995年7月30日の夜9時ごろ、東京・八王子市にあったスーパー『ナンペイ大和田店』で、閉店後、3人の女性従業員が何者かによって射殺された。その犯行は極めて残忍で、被害者はいずれも1発もしくは2発で頭を撃ち抜かれ、即死の状態。うち2人は当時、アルバイトの女子高生だった。俗に『ナンペイ銃殺事件』と呼ばれるこの陰惨な事件は現在も未解決で、その動機すらいまだにつかめていない。
 また同事件は、『世田谷一家殺人事件』('00年)、『柴又女子大生殺人放火事件』('96年)とともに、“警視庁管内平成未解決3大事件”といわれ、同庁内には今でも専従班が設けられ、懸命な捜査が行われているのだ。

 ところが7月17日、警視庁捜査一課の捜査員が、この『ナンペイ事件』のためにフィリピンのマニラに飛んだ。その理由は、事件当初から捜査線上で注目されていたフィリピン製の『スカイヤーズビンガム』という拳銃にある。
 日本国内では、「殺人事件に使用されたことはあまりない」(捜査関係者)というシロモノだが、3年前、まったく別の事件で逮捕した元暴力団員から押収したものと線条痕がほぼ一致(酷似)。今度はそこからさかのぼる形で、ついには入手経路もほぼ特定できた、というのである。さらにそこから一気に、日本での“流通経路”も解明されてきたという。

 このすべての裏付けのために、まずは捜査一課の敏腕刑事がマニラに飛んだのだ。現地ではフィリピン当局の鑑識に、あらためて線条痕を照合してもらうなど協力を求めているという。
 「20年前、米空軍が撤退したフィリピン・ルソン島のクラーク空軍基地から流れ出た拳銃や、その他さまざまな銃器が、ひそかに東京多摩地区の在日米軍横田基地に入ってきました。そのなかの一丁を、“横田基地の主”といわれる人物が、懇意の暴力団に横流ししていた、ということまでわかったのです。つまりそれが、事件で使われた拳銃だったとみられているのです。これらが裏付けられれば、事件の解決は急展開していく可能性も高くなってくるはずです」(ジャーナリスト・齊藤寅氏)

 フィリピンには、組織犯罪対策第三課(暴対)の捜査員も随行したという。米軍基地、拳銃、そして暴力団−−。18年目を迎えるこの事件の解決に、ようやく曙光が差してきた。

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