韓国の情報筋がこう語る。
「一連の粛清を行ったのは崔氏も含め、軍部を完全に掌握した金正恩と兄の金正哲率いる北朝鮮最高幹部子弟グループ『烽火(ボンファ)組』だったことが発覚した。実は正哲については、今夏から『烽火組のトップに就いた』との情報が流れていたが、それまで消息不明だったために情報の確認が困難だったのです」
もともと、金正哲氏は故・金正日総書記の「最有力後継候補」と見られていた人物。ところが、欧州留学中にミュージシャンの追っかけをしていたことが海外マスコミに報じられて失脚し、その後、消息不明となっていた。
「一説では『正恩に疎まれ、暗殺ターゲットになった』とも伝えられていた。だが今度の粛清で北に舞い戻り、『烽火組』を掌握していたことが判明したのです。今回の騒動では、正哲が『烽火組』と正恩の護衛司令部の親衛隊を率いて張氏や側近を逮捕。次々に銃殺したという。過去には腹違いの兄、金正男の命を狙ったこともあり、もはや正哲は暗殺集団の頭目に上り詰めたともいえるのです」(同)
もっとも、気になるのはこの暗殺集団の台頭で、今後どんな惨劇が展開するかという点だ。
防衛省関係者が言う。
「『烽火組』が凶行に及んだ理由は、『長老たちの手ぬるい方策では国が亡ぶ』との大義から。そのため、懸念されているのは対外的な脅迫で、米中韓と日本が要求を呑まなければ、即座に核ミサイルを発射するという方策なのです。米政府は、すでに1月8日の金正恩の誕生日、2月16日の金正日誕生日を警戒しだしている。日本もこれに備えるべきなのです」
果たして、どんな行動に打って出るのか。暗殺集団の動向から、しばらく目が離せそうにない。