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夏の甲子園V予想 150キロか70本塁打か 超高校級ドラフト候補スカウト査定(1)

 『第96回全国高校野球選手権大会』が8月9日に開幕する。主役になるはずだった安楽智大(済美)、昨夏V投手・高橋光成(前橋育英)は予選で散った。しかし、プロ野球12球団スカウトの視線は例年以上に熱い。“磨けば光る原石”を探す傾向は変わっていないが、大谷翔平(日本ハム)の出現によって、高校球児を即戦力と見なす傾向も強まってきた。スカウトが1位候補に挙げる球児と、優勝旗の行方は−−。
 「今夏、各球団のスカウトが注視していたのは『安楽の右肘は完治したのかどうか』でした。愛媛県大会を見る限り、その回復具合は70%といったところ。スター選手を欲している球団や、安楽に2年くらいのリハビリ期間を与えられそうな戦力豊富な球団は、先行投資で1位指名してくるでしょう」(スポーツライター・美山和也氏)

 安楽の魅力は、188センチの長身からダイナミックに投げ下ろす157キロの剛速球だろう。だが昨秋に右肘を痛め、復帰戦を兼ねた今夏の愛媛県大会では、自慢のストレートは140キロ止まり。「新球スプリットをテストしているため」との情報も聞かれたが、ネット裏のスカウト陣は難しい表情を浮かべていた。
 その安楽がリハビリに励んでいた間、スカウト陣の視線を集めたのが、岩手の新星・松本裕樹(盛岡大付)である。高校野球に関する著書を多く持つスポーツジャーナリスト・手束仁氏がこう評する。
 「今夏、投手では松本、飯塚悟史(日本文理)、岸潤一郎(明徳義塾)の3人に注目しています。岸は完成度が一番高く、飯塚は安定感がある。松本、飯塚は打者としても高い評価を受けています。あえて順番を付けるなら、松本が一番でしょう。長身で細身だが投球フォームが柔らかい。ダルビッシュ、大谷も背が高かったが、プロに入ってから体全体の幅が大きくなりました。そういう意味で松本に伸びシロを感じます」

 松本はエースで4番。球速は150キロ台半ばをマークしており、左バッターで通算54本塁打を放っている。「岩手県準決勝では西武の渡辺久信シニアディレクターも視察していました。松本が並みのドラフト候補投手と違うのは、良い意味で“不敵なところ”です。150キロ以上を放れるのに、走者を得点圏に背負うまでは70%くらいの力で投げていました。安楽が剛なら、松本は柔」(美山氏)

 各球団幹部もこう評価。
 巨人・山下哲治スカウト部長「軽く投げても球がグッと伸びる」
 横浜DeNA・高田繁GM「直球、変化球みんな良かった。もっと力を入れて投げたらと思うと、スゴイ潜在能力を感じる」
 千葉ロッテ・松本尚樹編成統括「変化球や体の完成度は、高校時代の大谷よりも上」
 東北地区担当のスカウトだけではなく、球団トップが視察しているのだから、松本が今秋の目玉と見て間違いないだろう。

 九州勢も“投手・松本”と張り合っている。
 「大分高の佐野皓大は140キロ台後半を投げ続け、最後は150キロ強で三振の山を築く。直球で空振りが取れる投手です。福岡県大会で散ったが、西日本短大付の小野郁もいい。こちらも身体能力が高い」(美山氏)

 手束氏は、北陸のドクターK・富山商の森田駿哉を推す。
 「左投手で三振を奪える逸材。松井裕樹(楽天)もそうでしたが、三振を奪えるのは魅力的です。肘の使い方も柔らかい」

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