「7月30日、日本の南に位置する米マリアナ諸島近海で、M7.7の大地震が発生している。その後も同じ場所でM5前後の強い揺れがあったのですが、幸いにも被害はなかった。しかし、この震源付近は、専門家の間でも巨大地震の発生が指摘されている伊豆・小笠原諸島の延長線上にあり、フィリピン海プレートと太平洋プレートが隣接している。そのため今後、連動して日本でも大地震が発生する可能性があるのです」(サイエンスライター)
実際に調べると、1987年4月14日にマリアナ諸島(以下同)M6.1→同年5月7日に日本海北部M7.0、'94年12月30日M6.3→'95年1月17日に阪神淡路大震災M7.3、'05年8月13日M6.0→同年8月16日に宮城県沖M7.3、'13年5月14日M6.8→5月18日に福島県沖M6.0といった具合だ。
「マリアナ諸島近海が大きく揺れると、日本でも数日から数カ月後に巨大地震が訪れる現象は、『マリアナの法則』と呼ばれている。30日のM7.7の際には、1000キロ離れた日本でも広範囲で震度1〜2の揺れを観測しており、密接に関係していることを忘れてはいけません」(ある地震予知専門家)
世界中の地震活動を監視している米地質調査所の観測によると、マリアナ諸島地域では、この100年で中規模以上の地震が100回近く発生しているという。その統計からも、地震発生直後に日本で連動して中規模以上の地震が起きていることが分かっている。
この「マリアナの法則」について、武蔵野学院大特任教授で地震学者の島村英紀氏が言う。
「学問的には実はよく分かっていません。それを裏付けるには、関連が疑われる地震自体が100以上なければなりませんね。ただし、太平洋プレートの場合は、大西洋プレートが1年間で1センチ動くのに対し8〜10センチ動く、世界一地震を起こしやすいプレートなのです。その意味でも、興味深い現象と言えます」
恐怖の連鎖『マリアナの法則』がいま、海底を伝って日本に近づきつつあると想像するだに恐ろしい。