「店は、予約が入った段階で魚を仕入れて、他の予約が入っても断る。それをドタキャンされたら採算が取れない。中国人は大声で話すし、食事マナーも悪く、他の客にも迷惑がかかる。だから、ウチでは中国人観光客の予約はすべて断っています」(銀座のすし職人)
約3年前、ミシュランの2つ星を獲得している銀座の有名すし店が、中国人ジャーナリストの予約を断ったことで論争に発展した。
「その時は『人種差別だ』なんて批判もあったけど、こっちも商売だからね。リスクがある客の予約を受ける必要はないだろう」(同)
当時、批判を浴びたすし店は、海外通信社の取材に、〈日本人以外の客の予約はホテルのコンシェルジュかクレジットカード会社経由でなければ断っている〉と答えていた。ところが、「それでも中国人観光客は平気でドタキャンする」と憤るのは老舗店の店主だ。
「ホテルの紹介だと断れないから、予約が入った日は、他の客に迷惑がかからないように、中国人観光客との時間をずらしてもらう。そこまで気を遣っても大人数でドタキャンされると、その日の売り上げはゼロです」
こうした場合も、ホテルにキャンセル料を請求できず、泣き寝入り。最近は、事前にクレジットカードのナンバーを聞いて、ドタキャンは全額請求すると念を押してから予約を受け付ける店も増えているという。
「さすがに中国国内でも、自国民のマナーの悪さが世界各地で問題になっていることを嘆き、メディアが『国の恥になることはするな』と呼び掛けてはいますが、民度が先進国に追いつくには数十年かかりそうです」(現地の邦人記者)
銀座は今、高級店が乱立する“すし戦争”状態。彼らは今から東京五輪期間中のドタキャンに怯えている。