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麻生幹事長“解散封印”か

 22日投開票される自民党総裁選は、麻生太郎幹事長(67)の“ぶっちぎりV”確定で急速に関心が薄れてきている。民主党はじめ野党各党は、麻生新首相が臨時国会冒頭で衆院解散・総選挙を打つと見越して対応策を講じているが、ちょっと待った!追い風がぱたりとやんだことを肌で感じた麻生氏が、解散を封印して政権運営にあたるという怪情報が飛び交っている。

 10月3日解散、26日総選挙で自民・公明両党が合意したと報じられているが、麻生氏がこれをぶち壊す可能性は低くないという。
 当初からデキレースと指摘されていた総裁選。国民の関心がこれ以上高まる要素はなく、永田町ではそうした空気を察知した麻生氏が解散を封印するとの情報が流れている。
 「出馬当初の麻生氏が即解散・総選挙になだれ込む腹づもりだったことは間違いない。しかし、状況が変わった。あまりのワンサイドゲームになったため、国民は想定以上に早くしらけきってしまった。そのうえ米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破たんをきっかけに、金融恐慌が心配されるなど、為政者の対応力が試される局面にある。そもそも総選挙に突入した場合は民主党圧勝が予測されており、やみくもに解散などしないほうがいい、とする声は強くなっている。麻生氏が自民党惨敗の“顔”になってしまうからだ」(全国紙政治部記者)
 比較的、国民に人気があるとして選挙の顔に選ばれた麻生氏が、敗戦の顔になってはシャレにならないということだろう。本人はもちろん、麻生氏に期待する勢力にとっても何のメリットもなくなる。前出の政治部記者は「安倍前首相、福田首相と麻生氏の最大の違いは空気を読む力。すなわち“逆KY力”だ」と指摘する。
 「解散・総選挙は首相の専権事項。それを総裁選のさなかに“第三者”が決めるのはよろしくない。自民党三役体制を四役にねじ曲げて、新ポストの選対委員長に就任した古賀誠氏が日程調整に暗躍している。古賀氏とは犬猿の仲の麻生氏が、はいそうですかとすんなり従うかどうか?従えば随分と存在感が軽くなる。首相に選出されたあとで、あれこれ理由をつけて解散を先延ばしすることはできる」(同記者)
 リーマンにはじまった金融不安に加え、汚染米の不正転売問題など新政権が処理すべき課題が噴出している。すべての責任は突如辞任表明した福田首相にあるが、麻生首相誕生の瞬間から責任の所在は切り替わる。選挙熱を冷ますのは容易ではないが、こうした問題をなおざりにして政治空白を生み、そのツケを国民に背負わせる決断ができるか。
 与党の合意内容は、9月末に臨時国会を召集して、麻生首相の所信表明と各党の代表質問だけを行って、解散になだれ込むというもの。「どんな内閣も発足直後の支持率が最も高い。冒頭解散への批判もあるだろうが、一時的なものだ」との判断が働いたためという。
 そんなやましい考えを浮き立たせるため、民主党の山岡賢次国対委員長は与野党国対委員長会談で「補正予算を審議、議決してから解散すべきだ」とけん制。麻生氏は総裁選のなかで野党協力を前提に補正予算の早期成立を目指すと公言してきており、それでも解散するとなれば、この“協力宣言”をどう切り返すかという難しいかじ取りを迫られる。
 なにごとも予想通りに物事は運ばないものだ。総裁選出馬をめぐる駆け引きが盛んだったころに比べ、全国遊説の反応は弱くお祭りムードには程遠いし、喫緊の課題も生じた。宿敵古賀誠氏はわがもの顔で選挙日程調整に奔走している。口とヘソのひん曲がった麻生氏の最終決断が注目される。

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