除外続きの不運で桜の舞台には立てなかったが、前走のフローラSで評判以上の強さを発揮。直線で行き場を失いかけながらも、4角12番手から“その他”を瞬く間にぶっこ抜いたベッラレイア。
「鞍上が馬の力を信じて乗ってくれているからね。着差もたったクビだけど、それ以上の強さを見せてくれたといっていいんじゃないでしょうか。最後なんて、追うごとにどんどんと加速している感じでしたから」(平田師)
距離は違えど、本番と同じ東京コースでの強烈なパフォーマンス。初の長距離輸送という課題を克服したのも大きかったとトレーナーはいう。
「環境の変化に戸惑わないか心配していたけど、何も問題なかったようだね。そういう周りの面を考えても、いい前哨戦だったと思うよ」
中間の調整もいたって順調だ。「レース後はさすがに疲れが出たけど、もう大丈夫」。1週前追い切りでも坂路800m52秒0→38秒1→12秒7の好時計をマークし、態勢はすでに八分ほど整っている。手綱を取った秋山騎手が「別に何もありませんよ。すごくいい感じですね」とVサインを出せば、師も「いい動きだったね。レース当週にやれば、きっちり仕上がるでしょう」と太鼓判を押した。
「折り合いにはまったく心配しなくていい馬なので、距離延長は望むところ。器用さのない馬だけど、その分、東京コースはいいからね。今回も終いを生かす競馬で」
桜花賞馬ダイワスカーレットについてはコメントを控えた指揮官だが、その言葉の節々に“適性では絶対こっち”との強い思いが見て取れた。持ち味を爆発させることができれば、自ずと結果はついてくるはずだ。