(1)ソファや椅子、運転席は浅く腰掛けない。
特にソファは、身を預けると楽になる。運転姿勢も背もたれを倒し気味にして、浅く腰掛けて運転しがち。
しかし、その姿勢は腰の周辺に体重が掛かり、背中側にカーブしている。本来、お腹側にカーブしS字を描くのが自然。これでは背骨の関節を支える靭帯や筋肉に負担がかり、腰痛、下肢に影響が出る。
(2)座ったまま「足を組む」のを止める。
足を組むと必ず猫背になる。一見楽な姿勢に見えるが、背骨や骨盤を歪め、腰痛などの諸症状が出るので注意すべきだ。
(3)床に座る時は「正座」か「尻の下に座布団」を!
床に座ると、「正座」以外は背中が丸くなる。膝より尻が下にあると腰が後ろに倒れるので、背中が丸くなる。尻に座布団などを敷いて膝より高くすると背筋が伸び、姿勢も良くなる。
(4)肩や肘に荷物を掛けるのも避けたい
荷物を持つとき、左右どちらかの肩や肘に掛ける癖のある人は注意。荷物が重いとバランスを取ろうと反対側に身を傾ける。その時に骨盤や背骨が曲がり、肩への負担も大きく首、肩、背中、腰などの不快感や下肢への影響も出る。ひと工夫が必要だ。
(5)スマホ、ノートパソコン、携帯電話の操作。料理、物づくり、デスクワーク。みんな下向き人間。結論は己にあり!
単純な言い方をすれば、手元の作業のほとんどは、腕が体の前に出るものばかり。これらの作業を1日どれくらいしているか。放っておくと筋肉が固まり、元に戻すのは至難と言わざるを得ない。同じ姿勢を続けずに、時には首を後ろに反らし、腕を身体の後ろに回すような動作や運動を入れる努力が必要だ。
「まず、己の姿勢が良いか悪いかを点検する必要があります。簡単なところでは、踵と尻と背中を壁に付ける。頭の後ろと肩甲骨の辺りが自然に壁に付き、腰と壁の間に“手のひら一枚分”の隙間があれば正常と言えます」(前出・新井氏)
またもうひとつ、“座ったときの姿勢”のチェック例もある。
「背もたれのない椅子を壁に近づけて置く。自然と思われる位置で壁に背中を付けて座り、お尻が壁に付き、ベルトの位置の腰と壁の間に手のひら一枚が入る隙間ができ、頭の後ろが自然に壁に付く。この姿勢が取れれば正常です」(同)
これらを実践してみて、自分の姿勢の悪さが深刻な状態にあることに初めて気づく人もいるはずだ。
猫背が直れば、体の潜在力が生まれ、明るく前向きな人間になる。猫背の治療や相談先には、病院の整形外科や整体治療院などをお勧めしたい。