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【言葉】ターゲットはぼんやりしているヤツ!

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提供:週刊実話

 夜の繁華街をフラフラ歩いていると、必ずといっていいほどポン引きや客引きから声を掛けられる。ポン引きとは主に性風俗店への誘いで、客引きはキャバクラなど飲食店への誘いのこと。両方とも条例や法律などによって取り締まりの対象となる場合がほとんどなのだが、歓楽街では相も変わらずポン引きや客引きが現れているのが実情だ。

 さて、そのポン引きという言葉は、古くから使われている単語で、江戸時代の歌舞伎の演目『善悪両面児手柏』の中にも「ポン引きという者があって、親切らしく連れて行き、身ぐるみ剥いだその上に、女郎に売って金を取る、ふてえ奴がいくらもある」というセリフが出てくる。“ポン”は今風な言葉の響きであるが、実は400年以上も昔から使われていた言葉なのである。

 そんなポン引きだが、そもそも“ポン”とは何を表しているのだろうか? 諸説あるが有力なのは、ぼんやりした者を意味する“凡”から来ているという説だ。

 また、右も左も分からぬぼんやりした者を誘惑し、金を巻き上げてしまうから“凡引き=ぼん引き”で、それがなまってポン引きになったという説もある。

 もう一つ有力な説としては、詐欺的な賭博犯のことを表す“盆引き”が変化して、ポン引きといわれるようになったというもの。どちらの説も悪いヤツらから来ている言葉であることは確かで、ポン引きとは大昔から存在していた古典的な詐欺の手口だった。

 今も昔も、繁華街でフレンドリーに話しかけてくる人の煩わしさは共通のようだ。

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