特に体臭や口臭などのニオイは、自分では気が付かないうちに周囲の人に不快感を与えているケースが多く、また、相手側も気を使ってそのことを指摘しづらく、問題解決を難しくしている原因になっている。
OLのHさん(35歳)は、今まで自分の口臭など全く気にしていなかったというが、ある日、同僚からやんわりと指摘され、無頓着だった自分が急に恥ずかしくなったという。その後、食後は今まで以上に時間をかけて歯磨きをし、舌磨きまで始めたそうだが、口臭が完全になくなることはなく、原因が分からずに悩んだという。
Hさんのように自分の口臭に気が付き、口腔ケアに目覚める人は多いが、肝心のニオイがなくならないケースの場合、もしかすると原因は“腸内環境の悪化”が原因かもしれない。
「口臭の原因は主に、歯周病やタバコ、舌苔などがありますが、最近多いのが“腸”なんです。腸が汚れてくると悪玉菌が増加し、アンモニアなど強烈なガスが発生します。このガスが口臭となって、臭いニオイを発生させるのです。腸内の働きは自律神経とつながっていますので、仕事のストレスなどが原因になることもありますね」(消化器系医師)
口臭の改善にはストレスをためないことが一番だが、食生活を見直すことも重要だ。悪玉菌はタンパク質や脂質を好み、それらを餌に増殖するので、脂っこい食べ物や肉類は食べ過ぎないようにしよう。また、酒の飲み過ぎやお菓子ばかり食べていると、同様に、どんどん増殖していく。野菜を中心とした健康的な食生活を送ることで、悪玉菌を減らすことを心掛けよう。
また、腸内の善玉菌を増やすには、乳酸菌や食物繊維、オリゴ糖などを積極的に摂取するといいだろう。発酵食品には、ビフィズス菌など、身体に有益な微生物が含まれているので、腸内環境を整えるには最適といえる。
自分の口臭が内蔵によるものなのか分からない人は、“口臭外来”で診察してもらうのもいいだろう。実際に自分が吐く息を測定器で検査し、その成分が口の中のものなのか、内臓が原因なのかを診断することができる。
“スメハラ”は本人はもとより、周囲も気を使い、なかなか解決が難しい問題でもある。少しでも身に覚えがある方は、一度調べてみるといいかもしれない。