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専門医に聞け! Q&A 細菌予防に必要なのは十分な睡眠と乾燥対策

 Q:特定の病気があるわけでもないのに、冬になるとよく風邪をひきます。仕事は多忙でストレスも多く、就寝時間も遅いので慢性的に疲れ気味です。こうした生活が影響しているのでしょうか。どのようにすればよいか、アドバイスをお願いします。(38歳、証券会社勤務)

 A:ご質問の方は、風邪をひきやすい要素が揃った生活をしています。風邪をひきにくい生活とは、まさにその反対の生活です。
 仕事は仕方ないとしても、もっと早く就寝し、平均的な睡眠時間を確保するよう努めましょう。睡眠不足は免疫力を低下させるので、風邪をひきやすくなります。睡眠はまた、心身のストレス解消にも欠かせないものなのです。

●水分補給を忘れずに
 そして、空気の乾燥対策をすること。今年の冬は特に乾燥が厳しいのですが、それは風邪の細菌やインフルエンザのウイルスが好む環境です。
 また、私たちの体も、乾燥すると細菌やウイルスに感染しやすくなります。特に粘膜面の乾燥で、口腔内、鼻腔の粘膜が乾燥していると、これらの場所から感染し、発症することになります。
 十分に湿っていれば、免疫細胞の白血球もしっかりと働くので、風邪やインフルエンザにかかりにくくなります。
 粘膜面の湿気を保つためには、水分の補給も大切です。
 空気が乾燥していると、喉の渇きを感じにくいものです。冬の乾燥時は、意識して水分を摂取するように心がけましょう。

●歯磨き+舌磨き
 舌苔のケアもインフルエンザ予防に役立ちます。
 大林歯科医院の大林京子歯科医師は、口腔ケアを指導しておられ、口腔ケアを行うとインフルエンザにかかりにくいことを確認しています。
 喉の粘膜細胞は、表面を覆う糖タンパクのバリアーによって保護されており、たとえインフルエンザウイルスが侵入し、その場所に存在するだけでは感染しません。
 ところが、大林医師によると、ある種の紐菌が出す酵素があると、ウイルスは粘膜に取り付く“鍵”を得て、バリアーを破り、細胞内に侵入してきます。そして、細胞から細胞へと増殖を始め、インフルエンザを発症させるそうです。
 ということは、適切な口腔ケアを行って細菌の数が減れば、感染リスクも減るはずです。
 特に舌には多くの細菌がいることから、大林歯科医師は舌磨きをすることを勧めています。
 風邪の予防にうがいをする人もいるでしょうが、それに加えて、朝起きたときには、歯磨きとともに舌磨きをするのを習慣にすると良いでしょう。

今井一彰氏(みらいクリニック院長)
山口大学医学部卒業。東洋医学などさまざまな医療を駆使し、薬を使わずに体を治していくという独自の観点に立って治療を行う。日本初の靴下外来も設置。

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