《私は現在、24才のセレブニートであります。父が不動産・一級建築士です。祖父の土地も豊富にある為、働かずに生きていける環境は常に整っています》
《現在は一人暮らしで千葉県柏市に住んでいます。親の仕送りで生活を賄っております》
「竹井容疑者は、柏市の西側に隣接する同県流山市の出身。祖父母と両親、それに兄と妹の7人で、2年前まで住んでいたという話もあります。現在の自宅の近隣住民によれば、1年ほど前に引っ越してきたとのこと。小学校時代の同級生に聞けば、腹を立てコンパスで同級生の腹を刺したり、学校で飼っていたウサギを絞め殺したり、ハチャメチャな子どもだった。このため何度か転校を余儀なくされたといいます。それでも小学校の卒業文集には『人のためによく生きよう』などと書いており、すでに精神的な闇が見え隠れします」(社会部記者)
中学生になると悪さはさらにエスカレートした。同級生によれば、スタンガンを学校に持参し「これを使って通り魔をやって金を作ろう」などと、友人を誘うこともあったという。
当時に関して、先のプロフィールには次のように書かれている。
《私の生い立ちは学生時代はいじめたりいじめられたり、家族の暴力、学校の先生の体罰など理不尽な環境の中で生きてきました。家族の不仲による家庭環境の異常性と学校を3回も転校する環境で育ち…》
加えて、自身の前歴についてもこう綴っている。
《14才でヤフーチャットを行い始めてリアル友達に対してチャットで喧嘩が勃発し(中略)同級生の弟が玄関に出て、タメ口を発して帰れと生意気な態度を取った為、バタフライナイフで刺し(中略)同級生も切り付けて…》
《18才で知的障害者の子をチャットで洗脳をして2チャンネルでの殺人予告(中略)させたとして仮退院中の保護観察中により家庭裁判所で新たに少年院に入り20才で仮退院をし…》
「書き込みにある前歴は、ほぼ事実だと法務省の関係者は語っています。他にも、神戸児童連続殺傷事件の酒鬼薔薇聖斗を尊敬し、覚醒剤の使用済み注射器の写真をネット上にアップするなど、何をしでかしてもおかしくはない精神状態にあったことは確かです」(全国紙社会部記者)
社会への不満と疎外感の一方で、膨れ上がる自己顕示欲が暴走したということか。
「(竹井容疑者は)この世は理不尽と弱肉強食と運、それに、頭の良し悪しで決まるのが人生だと思っている、と常々言っていましたよ」(チャット仲間)
遡れば、似たような理由で見ず知らずの人間を殺める通り魔事件は、数多く起きている。その背景を、精神科医の町沢静夫氏が語る。
「卑劣な無差別通り魔殺人が増えたのは、現代が“敵の見えない時代”になったからだと思います。俺が世に出られない、認めてもらえないのはいったい誰のせいだ? 考えを巡らせても誰のせいだかよくわからない。じゃあ、自分が悪いのかといえば、そうは思えない。だからうまくやったヤツが憎くなるわけです。昔だったら喧嘩をするにしても仲が悪いからやるという理由があった。しかし今は、自分に溜まった鬱憤を晴らすために、誰彼構わず刺してしまうわけです」
加えて、町沢氏は通り魔犯のある共通した点を指摘する。
「彼らは人を殺害しても自殺はしない。それは、自分がやった結果を自分の目でしっかり確認したいからです。相手がちゃんと死んだかどうか。世間がどれほど騒いでいるか確認しなければ、やった意味がないですからね。やはり自己顕示欲が異常に強いため、相手が死に至り、世間が騒げば騒ぐほど満足する。幸福な人や金持ちが無性に憎くなり、そして見えない群集に対して向かっていく。この手の事件は今後ますます増えるでしょう」
竹井容疑者と殺された池間さんは同じマンションに住んでいたが、互いの面識はなかったという。他のマンションの住民たちも、竹井容疑者がゴミ出しで分別していなかったことを覚えているぐらいで、ほとんどが彼の存在を知らなかった。
その中で、竹井容疑者は周囲との接触を完全に避け部屋に閉じこもり、独り勝手な“被害妄想”を膨らませていた。
無差別殺人は決して許されることではない。しかし、同じような犯罪者を繰り返し生みだす社会にも問題はありそうだ。